第2話 きっかけ
何故こうなったかは分からない
普通の日常を送ってただけなのに、2日前から急にソイツは現れ始めた
はじめの異変はぼたぼたとヘドロのようなものが天井から降ってきたことだった
僕は実家に住んでいて、我が家は一軒家の3階建てだがまだ築10年と少ししか経ってない
妹たちは「にーちゃんの部屋臭い」と騒ぎたて、母は「あらあら」と言うだけでマイペースに片付けていた
翌日はひどい金縛りに悩まされた、ベッドで寝ていたら急に体が動かなくなって、部屋が揺れている感じがした
(地震だ…結構大きいな)
そう思ってリビングの姉に「地震あったよね?」と聞いても「あんた何言ってんの?」と睨まれてヒザに蹴りを入れられただけだった
おかしいな…と思ってまたベッドに入ったが、しばらくしてまた体が動かなくなった
体は動かしたくても、ピリピリとした感覚がするだけでどうにも動かない
(指先だけでも…)
そう思った瞬間、ソイツは目の前にいた
目が窪んでおり目玉は見えない、口角が不自然に上がってる、ドレッドヘアーのような髪に肌には泥のようなものがついている
天井から落ちてきたヘドロを10倍くらい強くした匂いがした
ソイツは馬乗りになって、ぎゅるるるるるるという不快な音を出す
(夢だよな、これは夢だよな)
ソイツが顔を近づけてきたところで気絶してしまったようで、気がつけば朝だった
やっぱり夢だったかと一瞬思ったが
布団に付いたヘドロのようなものが、現実にあったことなんだと言っていた
(今日が日曜日で良かった…)
恐怖とは裏腹に社畜根性が根付いている僕は、仕事に影響がないことで少しホッとしていた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます