第94話 ハンターゲーム

男は昔、ハンターゲームに参加したことがあった。

 

ハンターゲームとは人間が人間を撃ち殺すというゲームである。

男はそのときに味わった、人間を撃ち殺すという背徳感に快感を覚え、また参加したいと思っていた。

 

だが、ハンターゲームは参加料がかなりの高額であることと、滅多に行われないと、そしてかなりの人気ということもあり、なかなか男が参加できる順番が回ってこない。

 

男はハンターゲームが行われるという情報を掴むと、毎回参加の申請を出していた。

しかし、やはり参加ができず、20年が過ぎていった。

 

長年の我慢が限界に達し、男は捕まってもいいという覚悟で、銃を買い揃えた。

そして、実行予定日の3日前。

 

男の元にハンターゲームへの参加が決まった通知が届いた。

 

男は歓喜した。

これで罪を犯さずに人を殺せると。

 

だが、男はハンターゲームが始まると絶望に包まれた。

 

終わり。














■解説

男はハンターゲームに、撃ち殺される側として参加することになった。

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