女子高生の制服の下には何が隠れているの?
「
突然の桃花ちゃんの行動に僕たち二人は完全に固まってしまった。
目を奪われたままだった……。
桃花ちゃんのタータンチェックのスカートがぱさっ、と
その様子を僕たちはただ
彼女の行動を止めたかったがすでに遅かった。
目に飛び込んできたのは透き通るような白い肌と可愛らしいおへそ。
そして桃花ちゃんの可愛らしい見た目からは想像もつかなかったが、
よくしまった腰回りから続くなだらかな曲線、その下には僅かな薄い布一枚。
ピンクのショーツに隠された少女の陰りまでハッキリと見えてしまう……。
「どうかな? 大人っぽいショーツ、これチュチュアンナの新作なんだよ。とっても可愛いでしょ……」
彼女の健気な気持ちがこちらに痛いほど伝わってくる。可愛い女の子の格好に、
昔から憧れてきた僕には分かる、見えない部分だからこそ飛び切りのお洒落を楽しみたいんだ……。桃花ちゃんも精一杯に背伸びをしてこの下着を選んだんだろう。
だけど女の子が下着選びで一番重視することがある、それはお揃いの……。
「……くっ!!」
いままで口をつぐんでいた康恵ちゃんが、苦悶の表情を浮かべていることに僕は気が付いた。一体どうしたんだろう!? わなわなと肩を震わせている……。
桃花ちゃんの露わな姿を見て興奮しているの!?
もしそうだとしたら大変だ、今は康一ではなく女装の康恵ちゃんだから、
男として劣情を
ぼ、棒を締め付けて、もがき苦しむことになってしまう……。
そうなればせっかく友達になれた桃花ちゃんにも正体がバレることになる。
康一、何とか我慢して!!
「……康恵ちゃん、気を確かに持って!!」
「正美ちゃん、わ、わたしは大丈夫だよ、だけど桃花ちゃんが可哀想で……。 私、我慢できないよ!!」
「えっ、どうして、桃花ちゃんが可哀想って、いったいどういうこと!?」
康恵ちゃんは泣いていた、いや号泣していると言ってもいいだろう。
女子更衣室の床にはクッションフロアが敷き詰められているが、
そこに点々と落ちるほどに
「桃花ちゃん、康恵の言ってること意味不明だよね……。でも私の話に少しだけ付き合ってもらってもいいかな?」
康恵ちゃんの涙、その意味に僕も気付いてしまった……。
男の人にはない女の子だけのたしなみ、大切な人にだけ喜んで貰えるように
悩みに悩んで選んだ宝物、それを最高の状態で見て欲しい。
素敵なラッピングのプレゼントみたいに二つの胸のふくらみを包んでくれる存在。
そうブラジャーだ!! 康一もにゃむ子さんの双子の妹、保健の先生である、りっつ子さんから話は聞いたはずだ……。
この学校はおかしい、いや狂ってると言っても過言では無いだろう。
「桃花ちゃんと初めて会った時のこと覚えてるかな?」
「康恵ちゃんたちと……!? 今朝の規律検査の時が初めてだったね」
康恵ちゃんの問いかけに彼女が答える。おっぱい検査の時、
桃花ちゃんはシスターに胸を触診されてすごく嫌そうだった。
苦悶の表情の中には成長途中の敏感な胸を触られる痛みだけでなく、
激しい嫌悪感を
「あの時はまだ分からなかったけど桃花ちゃんとお友達になって、はっきりと理解したんだ……」
「康恵ちゃんに私の何が分かったの……!?」
桃花ちゃんの瞳に困惑の色が揺らぎ始める、セーラーブレザーの制服は、
上半身のみのままだ。自己防衛のためか彼女は無意識に制服の上から胸を両手で覆い隠した。
「桃花ちゃんは下着を買う時、絶対に思ったはずだっ!! ショーツだけでなくブラも着けたいって……。女の子なら絶対にそう思うだろう、ブラとショーツはセットで可愛い組み合わせは離ればなれにしちゃ駄目なんだって、永遠の愛を誓い合った恋人同士みたいに……」
僕も康江ちゃんと同じ考えだった、男性には分かりにくいかもしれないが、
例えば左右違う靴下を
とても気になるはずだ、女性にはそれだけではなく下着を上下お揃いにする
。
たとえ人に見せなくとも内面から自分を可愛く見せたいから……。
「桃花ちゃん、君はとても聡明な女の子だ、でも何か無理に我慢していないか? 自分を押し殺しちゃいないか? この聖胸女子に通うために、親御さんの期待を裏切りたくないから自分の本当の気持ちを隠しているんだ」
まるで雷に打たれたかのように桃花ちゃんの身体が
彼女はためらいながらも自分の言葉で語り始めた。
「康恵ちゃんの言う通りかもしれないな、本当の気持ちはこの制服の胸みたいに隠しているんだって……。お願い、私のぜんぶを見てくれますか?」
ゆっくりした仕草で自分の制服の胸元を開き始めた。
セーラーブレザーの金色のボタンを一つずつ外していく……。
小ぶりだがツンと上向き加減なおっぱいが顔を出した、元々色素が薄いのか、
乳首は彼女が自己申告していたピンクというよりも、もう少し薄い色にみえた。
聖胸女子高等学校の制服、その胸元に隠された秘密が完全に
制服の内側に下着は着けていない、そのかわりにおっぱいを包んでいたのは、
二重になった特殊インナーの存在、女性のタンクトップの内側に装着されている
インナーブラにも似ているが特殊なのはそれが制服側に内蔵されていることだ。
形状記憶の特殊な布地で胸を締めつけずにおっぱいの形を崩さない仕組みだ。
「これが、この学校の秘密なの……。 聖胸女子創立者の厳しい理念を
今も守っているの、乳房信仰と呼んで神聖な乳房を神と崇める思想よ。
詳しいことは学校案内や道徳の授業でも勉強すると思うけど、とにかく乳房優先なの、康恵ちゃんがお胸様って冗談言ってたけど本当にその通りなんだ、おっぱいが
「桃花ちゃんや聖胸の他の女生徒が苦しめられている毎朝の規律検査や、ノーブラ推進もそのためなんだよね……」
彼女は答えるかわりに、無言で微笑みを浮かべた。
桃花ちゃんだけではない、この学校に通う多くの女子生徒は学校の横暴に影で涙を流しながら必死に耐えているんだ……。
都内有名女子高の御三家と呼ばれ、卒業生は著名人を多く輩出しており、
政財界、経済界、芸能界、多岐に渡る、この学校に入学するのは狭き門で、例え入学出来たとしても、厳しい校則に背くと退学の
僕は康恵ちゃんと目を見合わせた、以心伝心で僕たちの心は一つになった!!
「桃花ちゃん、落ち着いて聞いて欲しいの、私たちはこの学校の
中からぶっこわしに来たんだ、だけど二人だけでは難しい……。ぜひ協力してくれないかな? 君の力も絶対に必要だから」
康恵ちゃん、いや康一が穏やかに語りかける、彼女は無言で見つめ返していた。
しばし考え込んだ後、桃花ちゃんの唇が微かに動いた……。
「桃花ね、ずぅっと待ってたんだ、私を苦しい日常から助け出してくれる存在を……」
そして彼女はある
「もし私がヒーローなら、きみを助けることができたのに……」
このフレーズは……!?
英語の授業で課題を忘れて困っていた彼女を康一が助けた時の一節だ。
桃花ちゃんがゆっくりと顔を上げる、同時に午後の陽射しが更衣室の窓から差し込んだ。
その表情はとても晴れやかだった……。
「待っていたんだ、やっと迎えに来てくれたね、私のヒーローさん!!」
次回に続く!!
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