絶世の美少女♡とノーブラのおっぱい検査だと!?
その
「皆さん、ご
まるで聖書のモーゼの海割りのように、声を発した女子生徒の前に道が開ける。
僕の前に歩み寄る彼女を見た途端、心臓の鼓動が嘘みたいに跳ね上がった。
何だ、この絶世の美少女は!? 綺麗とかのレベルではない。
本来の性別が女の僕でも
気品が感じられるナチュラルな美しさで、昭和を代表する大女優さんにどこか彼女の面影を重ねてしまうのは僕が映画好きな岩お祖母ちゃんの孫だからだろう……。
「どこかお怪我はないかしら?」
「だ、大丈夫です……」
たおやかな指先が目の前に差し伸べられるが、僕は返事をするのがやっとだった。
「遠慮しないでね、せっかくの制服が汚れちゃうと残念だから……」
柔和な微笑みに
「これ、使ってね、お隣のお友達も拭いてあげて……」
花の
「あ、ありがとうございます!!」
「あなた、お名前は?」
「僕は大迫正美、この子は三枝、や、康恵ちゃんです。本日より聖胸女子高等学校に転入させて頂きます……」
「ふふっ、元気が良いのは何よりだけどシスターに怒られないよう気をつけてね。ほらっ、正門前を見てご覧なさい。朝の規律検査のために待ち構えているから……。私たち聖胸女子の校則はかなり厳しいのよ、大迫さん、三枝さん、覚悟はいいかしら?」
「「はっ、はい、頑張ります!!」」
僕とヤスミンが同時に返事を返した。
「困ったことがあったら気軽に生徒会室を尋ねて来て、私がミューズの代表として責任を持って何でも相談に乗るから……」
「あの~ 失礼ですけど綺麗なお姉さんのお名前、聞いてももいいですか?」
康恵ちゃん!! 男の
「あっ、ご免なさい、まず自分から名乗らなきゃ失礼ね、私は
みすゞさんかぁ、名は体を表すとはよく言ったものだ。
絶世の美少女は名前まで響きがいいんだな……。
それに加えて生徒会長とは納得の人選だ。優しい中にも威厳を兼ね備えている。
「生徒会長さん、どこかでお会いしたことありません!?」
「えっと、三枝さんとお会いするのは今日が初めてだと思うわ……」
康恵ちゃんが顎に手を当てて
ごきげんよう、そう言い残して
いつもの静寂が通学路の光景に戻ってくる……。
幸先の良いスタートかもしれないな、親切な先輩に出会えて、僕たちが知らない、聖胸女子にまつわる校則の厳しさも教えて貰い大変参考になった。
……でもミューズって何だろう?
非常に気になるキーワードだ、学校案内や生徒手帳にも載ってなかったな……。
お言葉に甘えて後で生徒会室に聞きに行っても良いのだろうか?
入学初日朝のハプニングも終えて僕たちは門を抜け、敷地内へ足を踏み入れた。
門に立つシスターたちに誘導され校舎に向かう途中の建物に集合させられる。
建物の周りには外部からの視線を遮るフェンスが張り巡らされていた。
「ほらほら、早くしなさい、三列に別れて整列して!! 一糸乱れぬ団体行動も我が聖胸女子高等学校の美徳ですよ!!」
修道女の格好をしたシスターが
カソリック系の流れを組み東京の有名女子校トップ三位に数えられる。
聖胸女子はお嬢様の通う女子校を具現化した存在と言って過言では無い。
これが生徒会長である美鈴さんが言っていた恒例の風景、
シスターによる朝の規律検査なんだ……。
「では制服の胸元を開いて、順番に並びなさい……」
シスターの言葉にためらいもなく並んだ生徒たちが制服の胸元を開き始めた。
女子高生の禁断の果実があちらこちらに姿を表しはじめた。
可憐な少女たちの白いふくらみが目に
「……!?」
驚きの光景に僕は言葉も出なかった……。
制服の下に皆、ブラジャーを付けていなかったからだ!!
ええっ、校則検査ってまさかおっぱいをシスターに見せなきゃいけないの!?
それに他の女子生徒全員制服の下がノーブラなんて……。
僕の頭のなかに、にゃむ子さんが以前説明してくれた話が蘇った。
『ノーブラが聖胸女子高等学校に入学するとき、大事なことなんだよ……』
ハラスメントな校則で教師による下着の色のチェックは聞いたことがあるが、
まさかのノーブラかどうかの確認!? こんな横暴、僕には考えられない。
初日からいきなり大ピンチだよぉ!! いったいどうすればいいの……
僕は頭ならぬおっぱいを抱えて悩む羽目になってしまった……。
自分はもとより男の娘に扮した康一の運命は風前の灯だ。
シスターの検査を無事に切り抜けられるだろうか!?
「正美、ど、どうしよう、いきなりおっぱいを見せるなんて……」
「私たち、いったいどうしたらいいのぉ!?」
おっぱい検査の次回に続く!!
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