星帝神話~最恐四天王の主~

ユウタ

序章【最強のクランハウス】

第1話「始まりの3人」

数十年前の出来事―――――


とある黒髪少年

「三人で・・・冒険者になろう」


金髪の眼鏡少年精霊

「回復は僕が努めますね」


茶短髪のゴーグルドワーフ少女

「武器造りはアタシに任せろ!」


その少年は同年代の三人の少年少女達と一緒に叶えたい夢を追い続けた。


――――――――数十年後の今現在にて


ナル・ヴォム

「うっわ、マスター・・・見事な快晴ですよ?」


スタヴ・セント

「うぉっ、眩しッ?!」


秘書のダークエルフであるナルがカーテンを開けた途端に自分の目にダメージを負う所だった。


久し振りに懐かしい夢を見た。

同じ孤児院育ちの二人と冒険者になって世界中を駆け回る目標を言い合った事を。


「今日も見に行かれます?」

「そういやぁギルマスに頼んで団員メンバー募集してたんだっけ?姿を隠して見に行ってみるか」

「分かりました。外套用意するので変装を」


外は快晴、陽気で心地良い風が靡いていた。

ギルドに来たのは良いけど――――結構騒がしかった。


面接を受けに来た冒険者

「おい!いつまで待たせるんだよ!」


銀級冒険者ミュナス

「(うっわ~人多い)」


受付嬢

「も、もう少しお待ちくださいませ!(もうっ!ギルマス今何をしてんのよ~?!)」


「うっわ人多いな」

「うわぁっ?!」


隣にいた女性に驚かれた。


僕って、そんなに影薄いか?


「ど、どうも・・・?」

「どうも、すごい人だかりだねぇ(なんで疑問形の返事?)」


その女性の冒険者は外套を羽織っている仮面の男に困惑し


「えっ、あ~・・・伝説の旅団パーティーがギルドの所属クランハウスの団員募集中って噂を聞きつけて」

「ふ~ん」


無関心な返事をした俺に彼女は疑問をぶつけた。


「伝説の旅団ですよ?最強のギルドの面々ですよ?」

「最凶なのは知ってるよ、でも・・・彼らに勝てる人、居ないでしょ」

「し、知ってるんですか?」


知ってるもなにも、彼らは僕の知る―――


リゾット・グヴェム

「ハァ?!この俺様じゃ通用しない?!俺様は銀級だぞ?!」


ナヴァンス・ドルム

「そうは言っても・・・なぁ~・・・」


冒険者達が暴走寸前まで押し寄せていた。


その数秒後に神父服の男が僕に目線を合わせる。


「来てくれましたか!」

「やっ、ギルマスは?」

「それが・・・別で長引いていまして」


冒険者達の視線が一斉に集中した。


こういう視線の集まり方苦手なんだよなぁ~


「(仕方ない)それじゃ、ここにいる面々は団員面談で・・・あってるかな?ナル」

「えぇ、その様に聞いています」


僕の背後にナルが現れる。


「ナヴァ、少し休んでてくれ」

「分かりました。ディム、クランリーダーのサポートお願いしますよ」


ディム・フロスト

「任せてくださいナヴァンス様!」


ディム・フロスト、ナヴァンスが一目置く優秀な冒険者で金剛石ダイヤモンド級の実力者。


彼を僕のサポートにしてくれるなんて・・・胃に優しいな


「ディム、取り敢えずあの冒険者に相応の実力があるかどうか訓練場使って確かめてきて」

「分かりました。リゾットさん、私の後に付いて来て下さい」

「わ、分かりました」


流石、最上位の冒険者相手だと銀級シルバーでもやっぱ緊張するよね


「さて、残った君達には我々の団員になるチャンスがある。希望している者の中で僕が出す最難関の依頼を完全に熟す事が出来た上位三名のみ――――」


懐に仕舞っておいたとある指輪の魔道具を三つ取り出す


「この神霊の指輪を直接プレゼントをしよう。もちろん、この事に関しては国に既に準備を進めて貰っている」


周囲の空気がまた変わった。

不安な人がチラホラいる。


国に認知されている事を知った残りの冒険者達は緊張に走る。


「そして――――その三人にはメンバー入りの決定をギルド総括マスター不在の代わりに僕が認めよう」

「(思ったよりプレッシャーがやばい・・・っ!)」


剣士ライン

「(兄貴を超えなくちゃ・・・!)」


冒険者達が次々と武器を持ってダンジョンへ向かっていく。

僕が出す最難関の依頼とは―――

国が懸念して出し渋っていたとある史上最高ランクの魔物の討伐である。


「さて、僕は様子を見に行くよ。ナヴァに後で例の現場に来るよう伝えておいてくれ」

「畏まりました」


多くの冒険者が我先にと言った後――――既に僕は準備を済ませていた。

徒歩で行ける距離の為、簡易的な装備で身に纏って様子を見に行く。


「スケルトンゴーストの布で作った外套は役に立つな~」


着いた先では既に戦闘が始まっていた。


「おい、そっち行ったぞ!つえーから気をつけろ!」

「りょーかいっ!」


先ほど自分と話した女の子と剣士の男の子が連携を取っている。


「まだまだ成長途中・・・か、ウンウン」


見ている最中に先ほどの大男も合流した。

どうやら説明をきちんと理解して依頼を出したダンジョンの洞窟に来たらしい。


「ヤツを倒すのは聞いている!弱点は見つかったか?!」

「いいや!コイツは結構強敵だ!あのクランリーダーとやらがわざわざこの洞窟を選んだわけが分かったぜ!!!」


その大男、リゾットは慧眼である。

彼の動きは魔物より素早い。


「おいっ、大怪我で動けない奴をほっとかねぇで外に出せ!ここに居たら巻き沿い食らって死にかけるぞ!!!」

「わっ、分かった!」


さて、彼らが戦ってるあの魔物は恐らく変異種だな。


外に出ておくか


「リーダー!本部から救援者を連れてきましたよ!」

「ナヴァ、丁度良い所に来たか。折角だ・・・彼らに洞窟の外に出るように誘導を頼む。ナヴァに続いてみんなも頼むよ」

「畏まりました。皆さん始めましょう」

「「「「「はいっ!」」」」」


本来指定した魔物とは違う魔物が出てきたので早速自分が対応する事にした。


「さて、始めようか」


数分後、冒険者達が一斉に洞窟の外から出てきた。

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