ガチャ070回目:第二層の全容を見て回った

 それにしても、強敵だったとは思うけど、割とあっさり倒せたな。これが複数人での連携か……。悪くないな。もしもこれがソロだったら、10分や20分は駆け回りながら戦っていたかもしれない。隙間はあっても、やっぱり『魔鉄』は俺の剣じゃ貫けないし。

 アヤネの魔法も凄い威力だったし、アイラの短剣も恐ろしい貫通力だ。まさか『魔鉄』の上からでもお構いなしに貫くとは……。

 本人の実力が相当なのは知ってるけど、あの短剣、一体どれだけの業物なんだろうか。


「旦那様! やりましたわね!」

「ああ、アヤネもお疲れ。アイラも援護助かった」

「当然のことをしたまでです」


 さて、まずは本日4つ目の『怪力Ⅱ』を拾う。これは、一旦お持ち帰りだな。

 改めて奴が死んだ場所を見る。


 『ホブゴブリン』の強化体は、死んだ瞬間煙になった。

 つまり、強化体となった場合次は出てこないという事だ。それはすなわち、『ジェネラルゴブリン』の強化体は出現させることが出来ないという事だろうか。もしくは、レアモンスターの第二形態を確定で沸かせられるようになった後で、4カ所全て倒しきり、第一形態の強化体を倒したあともう1度沸かせれば、第二形態も強化体になるのか……?

 興味はそそられるが、流石に体力がもたないな。そもそも『ホブゴブリン』の強化体ですら、ソロは手こずる相手なんだ。まだ、急ぐべきでは無いな。


 まずは恒例のガチャの時間だ。


『ジャララ、ジャララララ!』


 出てきたのは紫2、赤5、青3だった。


『R 腕力上昇+12』

『R 器用上昇+12』

『R 頑丈上昇+12』

『SR 器用上昇+25』

『SR 魔力上昇+25』

『SR 魔力上昇+28』

『SR 腕力上昇+16、器用上昇+16』

『SR 魔力上昇+16、知力上昇+16』

『SSR 俊敏上昇+80』

『SSR スキル:剣術Lv1』


*****

名前:天地 翔太

年齢:21

レベル:6

腕力:515(+420)(+86)

器用:522(+426)(+87)

頑丈:521(+425)(+87)

俊敏:604(+494)(+101)

魔力:528(+433)(+88)

知力:500(+409)(+84)

運:1052


スキル:レベルガチャ、鑑定Lv6、鑑定妨害Lv6、自動マッピング(2/3)、鷹の目、金剛外装Ⅱ、身体超強化Lv1、怪力Ⅲ、金剛力Ⅱ、迅速Ⅱ、金剛壁Ⅱ、統率、予知(2/3)、二刀流、体術Lv2、剣術Lv3、暗殺術Lv1、投擲Lv4、元素魔法Lv1、魔力回復Lv2、魔力譲渡、スキル圧縮


武技スキル:紅蓮剣


トロフィー:ホブゴブリン、黄金蟲

*****


『ボックスの残り70/120』


 今日だけで40回分のレベルを上げられたのか。40x4で160レベル分。普通に考えたらそれだけでアイラ並みのレベルになるけど、俺の成長力では雀の涙だ。

 そして『統率』のおかげで全ステータスが500を超えて、『運』も1000を超えた。ようやく俺も、中級くらいにはなれただろうか。


 そしてドロップの『魔鉄』は……予想通りグリーブか。

 とりあえず装着してみるけど……。


「アイラの前ではあってないようなものだよな、これ」


 ちょっとコレの硬さに対する信頼が揺らぐ。


「ご安心ください。ご主人様には向けませんから」

「そりゃそうだけどさ……」

「旦那様、アイラの武器は上級ダンジョン産の『アーティファクト』ですわ。『魔鉄』はよくて中級ダンジョンクラスですの。ですから気を病む必要はありませんのよ」


 『アーティファクト』……。確か、特別な能力が宿った、複製不可能な武器の総称だったよな。

 俺もいつかは欲しいけど……億程度で手に入るとは思えないよな。


「……そうか。気にし過ぎもよくないよな」


 アヤネの頭を撫でる。まるで子犬を撫でているかのような感覚だが……。

 うん、もうこの子は、俺にとっても大事な子だな。が見定めた相手ということもあるが、彼女が他の誰かと引っ付くのは考えられない。これからも守って行こう。


「それじゃ、今日の狩りは終わりだ。けど、マップを埋めたいからもう少しだけ付き合ってくれ」

「はいですわ!」

「お付き合いします」


 そうして俺は、残り2種類のモンスターが出現するであろう場所をマップで確認しつつ、空白になっていたマップ中央を埋めたのだった。



◇◇◇◇◇◇◇◇



 第二層の全マップを埋め終えた俺は、第一層から協会までの道のりを、歩きながら進んだ。

 今、俺の頭の中は、残りの2種類の湧きポイントの事で頭がいっぱいだった。


 ウルフのいる丘陵地帯。そしてゴーレム系モンスターのいる岩場地帯。

 ゴーレムは魔法がないと非常に苦戦する事もあって、どの場所も人はいなかったし、ゴーレムらしき姿も見当たらなかった。恐らく岩に擬態して隠れているんだろうか。


 しかし、問題は狼系モンスターだ。

 今まで丘陵地帯を避けていたからその実態は知らなかったが、全4カ所の内2つは複数のチームがいた。残り2つは第一層から遠い事もあって人はいなかったのだが、あそこでのレアモンスター狩りはどうするべきか悩ましいな。

 優先権の主張など出来ないし、聞き入れてもらえなければ最悪死人が出るかもしれない。

 強化体は人がいない場所で狩るとしても、強化体を沸かせるためには全てのポイントを潰さなければならない。ううん、悩ましい所だ。


 その点、ゴーレムは簡単に湧かせられそうだが。……でもゴーレム100体か。戦った事は無いが、それはそれで大変そうだよな?


*****

名前:ヒルズウルフ

レベル:11

腕力:70

器用:100

頑丈:50

俊敏:100

魔力:50

知力:50

運:なし


装備:なし

スキル:俊足

ドロップ:ヒルズウルフの牙、ヒルズウルフの毛皮

魔石:小

*****


 ウルフの強さはこんなものだったが、見る限り、何処を見ても群れを成していた。恐らく1度の戦闘で複数匹を相手にすることになるだろう。安全のために、アヤネには『金剛外装』を覚えさせるべきだろうか?


「旦那様、到着しましたわよ」

「ん? ああ、もう着いたのか」

「ふふ、明日の予定は決まりまして?」

「まだ考え中かな」

「そうですの。……あの、明日もついて行っても、構いませんか?」

「ああ、こちらからもお願いしたいな。アヤネ、力を貸してくれるか?」

「はいですわ!」


 抱き着いてくるアヤネを撫でてあげる。


「ショウタさん……?」


 そこに、暗い笑みを湛えるマキの姿が……。


「あ、マキ。た、ただいま」

「……おかえりなさい」


 ちょっとムクれてるマキが可愛くて、思いっきりハグしたくなったが……。


「おい、あいつスライムハンターだよな?」

「マキさんという人がありながら女連れだと!?」

「許せねえ……」

「彼女を泣かせたら俺がとっちめてやる」

「……」


 今はやめておこう。観客が多すぎる。

 マキの手を握って、いつもの会議室へと向かった。


 どうにも、それはそれで嫉妬を買ったらしく、背後で叫び声が聞こえた気がしたけど……無視した。

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今日も2話です。(2/2)

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