群馬県 群馬市誕生! 高崎市と前橋市と伊勢崎市を合併したら北関東最強の政令市に!? 地下鉄も出来て一都三県への人口流出も無くなったんだが
らんた
群馬県 群馬市誕生!
「このたび三市は合併します」
突然の発表に市民は驚く。いや……群馬県民は驚いた。
「新しい市名は群馬県群馬市です」
高崎市長が群馬市のロゴ案を出す。
「三市共に住民投票で過半数の合意を出たところで合併が成立します」
高崎市長が言う。
「そして高崎観音から高崎駅を通り太田駅にまで高崎市営地下鉄が直通します。剛志駅から東武伊勢崎線に直通します」
伊勢崎市長が言う。そうなのだ。太田市は人口急増地帯なのだが買い物客は巨大SCやはるか遠くの東京方面や大宮方面に客が流れていた。それを一気にたった二〇分で着く高崎商業圏に引き込むというわけだ。もちろん本数も多い。まあ……地下鉄と言ってもたったの四両編成なのだが。利根川を超える部分は地上部分となる。利根川を越える手前で地下鉄用の車庫が設置される。橋梁建設は負担が大きいので市と県の折半となった。本数は十分に一本間隔である。なお将来は六両編成での運転のためホーム延長は既に取ったうえでの建設となる。車両は高崎市営ATCのみならず東武ATCも設置する。
高崎観音駅からですらまだ高崎観音は遠いがそれでもしょうがない。それにバス運転手の人材不足解消にもなる。
「なにせ、わが市は『伊勢崎』と『伊勢原』を間違えられるぐらいなんで」
笑いの渦が巻き起こる。そうなのだ「神奈川県伊勢原市」と間違えやすいのだ。
「行政・司法機能は前橋になります」
前橋市長がきっぱり明言する。
「そのうえで高崎貨物ターミナル跡地に『高崎新都心』を形成し群馬県の主要機能を集めます。もちろん高崎新都心駅も形成します」
この高崎市長の発言におお~!と驚く記者団。
「さらに新大阪から来る『雷鳥』は高崎どまりとなります」
そうなのだ。北陸新幹線。わざわざ東海道新幹線を経由せずとも百万都市にスムーズに早く行けるのもポイントなのだ。
三市の住民は住民投票で全市が過半数を超えた。新市の誕生である。今まで高崎市と前橋市は隣だったにもかかわらずいがみあっていた。そのいがみあいを無くす時が来たのだ。
この人口減少の時代に、だ。いがみあってる場合じゃない。
後に玉村町も合併に参加する。群馬県立女子大の近所に地下鉄が通るからだ。
群馬県群馬市成立の時にポスターが話題となった。
「もうグンマーとは言わせない」
記者団の笑いを誘ったのは言うまでもない。
――合併成立から五年後
「いよいよ開通します! 群馬市営地下鉄高崎線、開通です!」
テープカットが行われる。
この地下鉄があるかないかがポイントである。地下鉄は政令指定都市としてのステータスである事はもちろんの事自動車工場集積地の太田市へも気軽に通勤できるかがポイントなのである。そうすることで人口急増地域である太田市の恩恵を旧伊勢崎市地域以外でも受けられるようにするのだ。そう、一都三県に人口がストローされないためには産業集積が必要なのだ。気が付けば再速達の「はくたか」も高崎に全列車が停車していた。
両毛線には「通勤快速」が設定された。完全に「群馬都市圏」が誕生した。この群馬都市圏は埼玉県本庄市も含まれていた。つまり一都三県への流入阻止どころか埼玉県民からの通勤需要まで確保したのだ。
この動きを見て焦ったのが栃木県宇都宮市。しかし残念なことに周辺地域を合併しても政令市の人口には届かない。宇都宮市は北関東トップの都市から陥落した。
群馬県藤岡市のも群馬市への吸収合併も決まった。
群馬市は次々人口が流入する。高崎新都心にはIT企業が集ったからだ。よくよく考えたら新潟はもちろんの事、北陸にも京阪神にもアクセスしやすとのことでオフィス需要が増えたのだ。
そして群馬県民屈辱の瞬間も消える。
ホームの延長である。「前より五両は籠原どまり」がなくなり本庄市以降は再び通勤快速は快速運転する。
百万都市になることには意味がある。これが八〇万都市の浜松や新潟の場合東京などに人口が吸収されるのだ。しかし人口が百万人を超えると人口を吸収する側になるのだ。つまり社会増となる。それでも北九州市のように百万都市が九〇万人都市と人口減になる自治体もあるから要注意なのだが。
――だから、東京に本社機能を置く群馬にマザー工場を置く企業の回帰が重要なのだ。だからこそ高崎新都心なのである。
群馬県内の私立の合併も促進させた。そうだ。わざわざ東京に下宿する必要も減少させるためである。一八歳時にわずか約一二〇キロ先の東京圏に移動させないようにするのだ。
市民はようやく気が付く。
上越新幹線建設は無駄じゃ無かったということに。
たしかに上越新幹線は国鉄破産の原因だったのかもしれない。しかし上越新幹線が無かったらここまで高崎市は成長出来なかったであろう。初めて「負債」は「資産」となったのである。
――角栄の遺産は令和に発揮したのだ!
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