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 ロンが二匹をほほえましく見送っていると、


「おーい」


花畑の向こうの森からポチャリさんが上機嫌ではねてきました。


「やあロンさんの地図のおかげだよ。いつも不注意なこの僕が、落とし穴にもはまらず、蛇にも噛まれず、木の根っこにもつまずかずにここまでこられた。それにね、今日はつまみ食いをしていないんだ!森ではいつも木の実をつまみ食いしすぎて、お腹がパンパンになってしまうのに、今日はホラ、体が軽い!ランさんの手料理を存分に楽しめそうだよ」


ポチャリさんには実のなる木に印をつけた地図を送ったつもりだったロンは、少し気まずそうにはにかんで耳の後ろを掻きました。

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