第46話 異世界色話



 一花が異世界でのことを聞いてきたから、問題のない範囲で話しをする。


「冒険中は、どこでも野糞だ。トイレットペーパーなんてないし、慣れるのに時間がかかった」


「女子は居なかったの?」


「パーティーは男3人・女3人だったけど、俺以外の連中は気にしてなかったな。

 それが、またショックだった」


「気になる女子は居なかった?」


「パーティー内は恋愛禁止だったが、気晴らしのエッチは全員としてた」


「兄さん! なんてことしてたの!」


「下世話な話題で、すまんな葵。これは避けて通れない話題なんだ。わかってくれ」


 妹は顔を赤らめてうつむいてしまったが、これからシーカーになる二人には必要な話しなんだ。


「はぁ。蒼大も大概だねー。学校の男子と同じかぁ。ガッカリ~」


「学校の男子はヤりまくりなのか?」


「そだよ。放課後になると、人目も気にしないでヤってる」


「へ~」


 実はそのことを俺は知っていて話題に出した。


「アタシはしてないよ!

 結婚するまでバージン守るんだから!

 言わせないでよ、バカッ」


 卒業後に同級生でパーティーを組むことは多いらしい。


 異世界で発情しないように、今のうちに好きなだけヤッておけって意味と、少子化対策だそうだ。


 もちろん在学中の避妊は絶対。


 卒業と同時に結婚して、若いうちに子どもをたくさん生んでほしい、そんな思惑があるようだ。


「今から将来有望そうな男子にツバつけとけってのは、わかるけどー。なら一般校に行けっつーの」



 一花は裸くらい平気と言っているが、やはり夢見る乙女だ。


 このままでは、泣きを見ることになってしまうかも……しれないな。


 それなら、今のうちに泣いてもらおうか。



 それから俺は、異世界カルチャーショックの話しをした。


 俺が召喚されて間もなくの事だった。


 各国から選りすぐりの魔王討伐パーティー参加希望者が、男9人と女10人集合した。


 エルフやドワーフ、獣人なんかも居て驚いた。


 最初に言われたのは、俺を含めた20人全員で共同生活をしろだった。


 あの異世界では、それが常識だった。


 長旅をするパーティーメンバーを決める際、共同生活をしてお互いの相性を確かめることからはじめるそうだ。


 大きな屋敷で1人1部屋割り当てられ、ここで暮らしてくれとのことだった。


 共同生活のルールは3つだけ。


 ・食料なんかは配達されるから、屋敷の敷地から出てはいけないこと。


 ・性交渉を男から誘うことは禁止で、女性から持ちかけること。


 ・性交渉の相手は毎回変えること。


 後から理由を聞いて納得したけど、最初は訳がわからなかった。


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