第35話 ジャンの悩み(悪霊の餌食となる人)

ユリナの知覚に現れてもう少しで一年になる。

これまで、彼女を通してユリナ達の住む世界を見て、また触れてきたわけだが。。


正直、俺は悩んでいる。

いや、迷い込むと言えるのかもしれない。


そちらの世界にいる人が俺達の世界を知らないように、俺達もユリナの世界を知らないと言えるのかもしれん。


俺は仕事がら、悪霊やら、家系の怨みまみれな連中を相手にしており、

また、連中がユリナ達の行く手を阻んんだり、そして命を連中が奪う様を知っている。


そんな悪霊連中から、生きているユリナ達を守っているわけだが。。


なぜにこうも、怒りや怨みに人は囚われ、駆られるのか。。


日常生活の中で些細な事にでも、怒りは湧き上がる。

そしてその怒りは時に怨みの念へと変わる。


「自分は、誰かを怨んだりしない。」


そんな人でさえ、その種を持つ。


それは、どんな人にも心に陰陽があり、闇と光を併せ持つからだ。


「心の闇」とよく聞くが、

俺が言うところの「心の闇」とは、

誰しも持っている感情を指す。


即ち、「負の感情」と呼ばれるものだ。


怒り、怨みは勿論、嫌だと言う感情、

羨ましい。妬む感情、

自分自身を責めたり、相手を責める。


又、気分が落ち込む。

苦しい気持ち。 等など・・・


数え切れない程あるわけだ。


では、ちまた等で言う「心の闇」とは、俺達の解釈で言うと

「黒い心」または、「邪悪な心」


同じ「心の闇」でも、こんなにも意味が違うわけだ。


「黒い心」や、「邪悪な心」とは、

読んでイメージがつくだろう。


相手を陥れる。 自分可愛さに相手を傷つける。

結果を知りながら故意にするなど。

身勝手極まりないわけだが。


俺は、ユリナが身を置く世界の人を見て思う事がある。


それが、悪霊、家系の因縁達から狙われる人だ。

なんとなく、わかるもんで。


「あの人は最期マズイんじゃないか。」とか、見ているとわかる。


誰でも狙われるわけではない。

そして、狙われても守ってくれる。


だが、厄介なのは、守っている俺達側が、手が出せなくなる事。


つまり、神仏様が人を

「救けたくても、救けられない様。」

この状態になると、かなりの高い確率で悪霊、因縁に命を奪われ、連れて行かれる。


では、どんな人が悪霊、家系の怨みに駆られた因縁の餌食となるのか。


それをお話しよう。。






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