第21話 初配信日当日 後編②

「聞こえてる?」

――大丈夫

――問題ないよ〜

(よし、いくぞ!)

「量産型天才妹系美幼女VTuberの神代蒼井です。お兄ちゃん、お姉ちゃん、これからよろしくお願いします!」

――量産型?

――天才って自分で言ってるwww

――どゆこと?

――属性多いなwww

「ボクがVTuberになろうと思ったけっかけが…」

――きっかけ?

――ドキドキ

――ワクワク

「あ、容姿を見せてないじゃん。ボクの見た目はこんな感じです。」

――ロリ

――"自主規制"待機せねば

――幼女に対して不適切な発言して規制されてるw

――天罰やね。あれ?顔真っ赤だ。まさか意味…

「次いくよ次。ファンネームはあお兄、あお姉ってボクが先に決めといたから、次配信タグの案ある?」

――天使の発表会

――ええやん

「よし、それ採用!次はファンアート」

――絵ンジェル

「うん、採用!さぁ雑談の時間だよ。この時間をいっぱい作るために巻いて決めたんだからね。」

――自己紹介の時のてんこ盛り属性何なの?

「あぁアレね。まず量産型天才っていうのはボクは必死に努力して色んなことを出来るようになっただけの凡人だから。でも、これだけやれば本物の天才にも肩を並べられるかなって思って名乗ってみただけ。美幼女は、美少女っていうには幼すぎるかなぁって……」

――どんなことが出来るの?

「いい質問だねぇ。できることは英会話、歌、ダンス、声真似、演技、楽器、イラストの7つかな?あと、高校卒業までの勉強は予習済みだよ。」

――は?

――ひ?

――ふ?

――へ?

――ほ?

「何そのコンビネーションwww」

――何をどうしたらそうなるん?

「1日も休まずに一分一秒も無駄にしないで死ぬ気でやったら1年くらいで出来るようになったよ。」

――うわぁ

――どんな4歳児だよ……

 「やめて、引かないで!泣くよ?ボク泣いでいいよね、この状況……」

――なんか、すまん……

――ごめん……

 「分かればよろしい!」

――変わり身早いなおい……

――嘘泣きかよ、俺じゃなきゃ見逃しちゃうね

 「そこうるさいぞ〜さて、ちょっと自分語りするね。ボクは色々出来るようになった訳だ。次はどうしたくなったか。ボクは自慢したくなったんだよ。でも顔出しするのはハードルが高かったし、リスクもある。それでお母さんに相談したら……『VTuberとしてデビューしてみない?』って言われて今にいたるってわけ。」

――そんな色々言って設定とか大丈夫なん?

 「あれは設定じゃないもん。活動用の名前だけ考えて生身で飛び込んできたからね。顔出しやだとか言いつつも今も顔出ししてるようなものだしね。ボクと同じ姿の女の子をボクが操ってる。もうボクじゃん!」

――"もうボクじゃん!"は草ww

 「つまりあそこに書いてあるのはただのボクの自己紹介なのだよ。設定じみたやばいスペックだが事実だししょうがないよねってこと。」"ドヤッ"「そろそろ終わりにするね。この続きは次の配信で、性別はシークレットだよ!またね〜」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る