第12話 門前清自摸和で得点が倍増

朝更かしの原稿 いよいよクライマックスに突入!

久し振りに深夜28時に原稿を書いている。

書斎は冷凍庫のように冷たく、身震いが止まらない。

それでも書きたいと思った。

09話24PVだとしても、先へ先へ筆を動かす。

マニアックなテーマだとは重々理解している。

それでも、家族間で生まれようとしている小さな奇跡を

見過ごす訳には行かなかった。

彼女が雀士に育つまで。僕は優しい教鞭を執り続ける必要がある。

願わくば本日の16時に最期の実戦をおこないたい。

年賀状が仕上がれば、主役はたちまち実父が返り咲き。

人生初の役満は無理だとしても

頑張れば評価8翻の倍満まで高めることが出来るかも知れない。

一つ一つのレコードが輝かしく、瑞々しい。

ビギナーズ・ラックのピークよ、ここに集結せよ!

1打4秒の吸って吐いてが、盤面に息遣いを表す。


書斎がほのかに暖かくなって来た。脅威の25℃設定。

午前28時出発でも7時間睡眠だ、出勤日当日じゃなくて良かった。

ああ、本日は聖夜Christmasなのか。

我が妻と、和菓子=今川焼を食べる約束をしていた。

この寒波で買いに行けるだろうか? 路面凍結には注意したい。

聖夜の実戦、聖夜の対局。

何も特別なことは無いが、特別に放銃縛りを解くこともしない。

しっかり防御、しっかり回避で

点棒を死守しながらオーラスの東四局を目指して行く。

特別な日だからと言って、ガードを下げるような真似は

全く以て危険なのだ。意味を為さない甘え。

副露はどうする? 鳴きに甘んじる回があってもいいか?

それ位は許容範囲だ。なんなら実父得意の混一色を仕上げに行こう。

混一色=「萬」「索」「筒」のいずれかと字牌の組み合わせ。

「123」「456」「789」「東東東」「西西」

混一色:2翻 一気通貫:1翻 場風牌:1翻 合計4翻 満貫確定!

混一色:3翻 一気通貫:2翻 門前で仕上げると評価+1翻

門前=メンゼン 副露を一切しない状態のことを指す。

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