第32話 準備期間 ナキリの部下
「ご主人様ー少しよろしいですかー?」
ナキリがひょっこりと顔を出す。
「どしたのー?」
「幹部を紹介したいのですが」
「あーはいはい」
ふーむ、ナキリの部下か。昨日はニーナの部下に会ったけどなかなかえぐいやつらだった。
多分悪い奴らではない。多分…。
ナキリが案内をしてくれた先には道場のような建物が建っていた。
「これ私建ててないよ?」
「作りました」
「え?ナキリ達が作ったの?」
「はい」
「どうやって?」
「そうですね。強いていうなら根性です」
「へ…へぇー…」
普通に壊れそうで入りたくない。
ガラガラと勢いよく扉を開けるナキリ
壊れそうだからやめろ。
「ご主人様が来たぞ!」
ナキリが声を上げると勢いよく5人が目の前に現れた。
「初めまして、ご主人様。私はアカネと申します」
「すごいね…ご主人様、とってもかわいい」
「おい、ご主人様だぞ!やっぱオーラがちげえなぁ!」
「うん、オーラが違うオーラがすごい」
「アカネ、ズボン履いてきたら?」
「ハッ!私としたことが…」
ご無礼!と呟くとサッといなくなった。
こ…濃いなぁ…もうカロリー過多である。
「アカネはおっちょこちょいなんですが、真面目で根性もあります」
そう答えるナキリ。
ご無礼今度使いたい。ちょっと面白い。
「御免!」
アカネが帰ってきた。すごいダサいズボンを履いて。
モモヒキの生地が分厚いような感じで色は深緑だ。
誰も何もいわないの!?
ナキリに耳打ちする。
「めちゃめちゃ服ダサいけどいつもあれなの?」
「そうですね、いつも近くにある服を着てますよ。アカネは」
通常運転らしい。
しょうがないにゃぁ…創造魔法で服を作るか。
なんか江戸時代みたいな言葉使ってるから(江戸時代なのかはわからない)侍っぽい服でも。
上は着物で白と灰色の矢羽柄、下は紺の袴を作る。
7着作った。毎日これを着てろ。
「ほら、これあげるからいつもこれ着てね」
「いや、私は何もしておりません。ご主人様から受け取るわけにはいきません」
断るアカネ。
「いや、服ダサいから着て」
「ガーン!」
ショックを受けるアカネ。
ショックを受ける意味がわからない。
「アカネがいらないなら私がもらう」
眠たそうな目でこちらに歩いてくる子が
「おい、ハナ!ずりーぞ!私だって欲しい!!」
歩いてきた子の背中を掴み揺さぶる子。
眠たそうな子はハナっていうのか。
「私がもらいますー」
ぽわぽわしてる子が気づいたら横にいた。
「早くくださいーあの2人に気づかれちゃいますー」
服を掴み催促してくる。
「コラコラ、カオリやめなさいって」
クールに咎める彼女はカオリの首根っこを掴んで帰っていった。
「君たちも欲しいの?」
4人に聞いてみる。
「「「「!?」」」」
目の色が変わる。
あぁそう。じゃあ4人分作るか。同じデザインでいいだろう。
揃っているとかっこいいしな。
アカネは白と灰色だったからー
ハナは白とピンクだな
ハナを掴んでた子は白と赤
カオリは白と黄色
最後のクールな子は白と水色でいいか。
どっさと全員分7着だした。
「ほれ、これがハナ、これが元気な子…」
「多分私だよな!私はタエです!」
そ、そうか。
「じゃあ、タエは赤のこれ、カオリは黄色のやつな。最後の君は水色だ」
みんなに着物を渡す。
「ランです。よろしくお願いします」
着物を受け取った彼女はそう名乗った。
「おーいいんじゃないか!」
5人揃った時はやはりかっこいい。
袴ってかっこいいよなぁ…いいなぁ。私も混ざろうかな…ぐぬぬ。
めっちゃ悩む。(運動会後本当に混ざった)
「ず、ずるい……」
「え?」
「ずるい…ずるいです!。私も欲しいです!!」
叫ぶナキリ。
お…おう。
パッっとナキリは気づいたように部下たちを見る。
「ご…ごほん。私にもください」
丁寧になった。
しょうがないからあげる。
でも組長らしいからちょっと変えるか。
袴は赤にしよう。矢羽柄は白と黒。
ついでに羽織もあげよう。かっこいいからな。
真っ黒の羽織で、下の方にささやかな金色の刺繍を入れた。
「はい、どーぞ」
「ありがとうございます。では、失礼します」
そう丁寧に受け取り丁寧にお辞儀したあと速攻消えた。
「めっちゃ嬉しそうでしたね組長」
タエが喋る。
「いつもあんな感じなの?」
「いえ、全然。今日はすごい優しいです」
と答えるラン。
「多分、ご主人様の前だから」
ハナが呟く。
「いつもこうだったらいいのにー」
ぽわぽわ言うカオリ。
「コラ!組長がいないところで言うな!言うなら正面から堂々と言え!」
ビシッと答えるアカネ。
そ、そういうことなのかなぁ…。
すると、袴に羽織を着たナキリがきた。
「どうだろう、自分では似合ってると思うのだが…」
高い身長で黒髪、額の赤い角が袴と合っておりかっこいい。
羽織も真っ黒だが金の刺繍がおしゃれ(自画自賛)
とても似合っていた。
「組長かっこいいです!!」
「組長かっこいい!流石組長!!」
わーわーと歓声があがる。
ぐぬぬ…かっこいい…似合いすぎて…ず…ずるい。
私だってもっと身長があったら…似合ってたもん!!
ふぬぬぬぬぬう悔しい…
「やっぱり返して!!」
私の声が木霊した。
「そ…そんなぁ」
がっかりするナキリであった
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