第30話 準備期間 ニーナの部下
レストランへご飯を食べに行く
基本は家で食べるのだが今日はレストランで食べる気分だ。
扉をあけるとゴンと何かにぶつかった。
イタッ
扉の前に誰かいたようだ
「ごめんね、大丈夫?」
中に入り頭を押さえている茶髪で活発そうな少女に声をかける。
「あぁ、大丈夫、だいじょ…」
私を見て途中で言い止める少女、どんどん顔が赤くないっていく。
よく見るとこの子ニーナのところのメイドだ。
「ニーナのところの子でしょ、大丈夫?」
「え…えええエル様……だ…だだだだ…」
きゅぅと呟いた少女は意識がなくなった。
「え?…」
どうしよ
すると可憐な金髪の少女が私に近づく。
この子もニーナのところの子だ。
一緒に来てくれてて助かった。
「エル様、どうもこんにちは。」
可憐な少女は私にお辞儀をする。
「はぁ、こんにちわ」
お辞儀してる場合ではない。
「この子倒れちゃったんだけどどうしたらいい?」
「それはそれは好都合です」
ぱぁとにこやかな笑顔を浮かべる少女。
やばい、見た目に騙されてたけどニーナの部下だったまともなはずが無い。
〈ヒール〉
倒れた子にとりあえずヒールをかけて退散する。
「お待ちになってくださいエル様」
グッと服を掴まれて止まる。
「なんでしょう?」
振り向くとそこには可憐な少女の顔が…。
ち…ちかい。
綺麗な青色の瞳でプルプルの唇サラサラな金髪はとても綺麗だ。
しかし飼い主と同じで目の奥がやばいのだ。
なんでそんな目になるんだ…
「はーエル様エル様ぁ…」
至近距離で連呼される。
ガッチリホールドされた。
逃げられない。
「エル様…んー」
目を瞑り唇を近づけてくる可憐な少女。
え?いやいや…いやいやいや…
いやああああああああああああ
ドゴーン
視界から可憐な少女が消えた。
代わりに大槌を持った少女が見える。
「助かったよ!ありがと!」
ぽんと頭の上に手を置くと少女は真っ赤になって気絶した。
「回収しに来ましたー」
とおちゃらけたような女性が来る。
「ん?またニーナのところの人だ」
そう彼女に声をかける
「そうっすよー。私はエレーナです。よろしくー」
お、まともそうだ。
「こいつら邪魔ですか?」
気絶している少女と壁にめり込んでいる少女を指差して問いかけてくるエレーナ。
「うーん…まぁ邪魔かも」
「じゃあ、片付けますね」
エレーナな魔力を手に込める。
「ちょいちょいちょい!!」
「え?」
「何しようとしてる」
「邪魔って言ったから消そうかと思って」
くっそこいつもやべー奴だ
やはり、ニーナの部隊に救いはない。
「ふ…普通にニーナのところに持っていってくれればいいよ…」
そっすかーわかりました。そう言ったエレーナは壁にぶっ刺さった少女を足を持って引き抜いた。
気絶している可憐な少女に蹴りを入れた。
それでも起きない可憐な少女。
「じゃあ、それでは」
とエレーナは両手で2人の少女の足を持つと引きずりながらレストランを後にした。
マジでやべーよあいつら…
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ふと目を覚ますとエルフィリアの拠点にいた。
あれ、私はアンナとレストランに行って…
思い出した。エル様に頭をポンしてもらったんだ…。
はあああああああああああああああああ
やばいやばいやばい。
とりあえず祈ろう。
声も聞けた。お話も少しできた。頭をポンってしてもらった。
エル様エル様エル様エル様エル様エル様エル様エル様エル様エル様エル様エル様
はー尊い。全ての苦労が報われた。どんな苦労もまた報われる。
そう思いながら私はエル様に祈り続ける。
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今日私は死にかけた。物理的にも精神的にも。
物理的には私のお目付役のフラムにやられただけなのでどうでもよかった。
精神的な方はエル様があんなに近くに!
エル様が!もう少しでキスまでできた。
惜しい惜しい惜しい惜しい。
早くまた会いたい。お会いしたく思います。エル様。
また嗅ぎたく思います。エル様……
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ふと背中に悪寒を感じた。
後ろを見ても誰もいなかった。
なんでお風呂って背中に視線を感じる時があるんだろう。
怖いからすぐお風呂入ってあがろー
そう考えているとマオがきた。
「おーちょうどよかった!」
「何がちょうどいいんじゃ?」
「ちょっと寂しかったから!」
少し強がる。
「ガハハ、儂がお主を慰めてやろう」
んー助かる
「そういえば今日ニーナの部下と会ったよ」
「あーあのやべー奴らが」
マオでもそう思うんだ。
「儂に害はないがあやつらは目がやばい。特にお主を見てる時じゃ」
「儂もマオ軍でも作ろうかの」
ろくな軍じゃねーだろそれ
「え?ホントに作るの?」
「さぁ…どうかの…?」
カカカと笑うマオ
本当にやめてくれ……
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