まるで呪い

一度

死んでしまいたい

と思ったなら

もうその呪いからは

逃れられない

死ぬまでそれが

まとわりつくのです

例えばシャワーを浴びる時

あ、死にたい

と家に傘を忘れてきたみたいに

ふと思い出す

はたまたカフェラテを飲む時

あ、死にたい

と夕食の献立を思いついたみたいに

ふと浮かんでくる

これが呪いでなく

何だというのでしょうか

何をしていても最後には

死という選択が

頭の中に並んでいる

しかし他の人間は

その呪いを受けていないらしい

ではありませんか

信じ難い

全く信じ難い

あ、今

まさに今

私は頭の中で

死という選択に

迫られているというのに!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る