白鷺

水辺に立っていたあの鷺たちは

一体どこへ行ってしまったのだろうか

白い大きな羽根だけを残して

彼らは山の向こうへと飛んで行った

真白い裾野が広がっている

見上げるばかりであったあの山の向こうでは

今日も鷺たちが翼を広げ

水浴びでもしているのだろうか

羽ばたきで水面を波打たせ

その羽根を落としているのだろうか

こんな辺鄙な田舎町から

大陸まで渡って行ける

翼を持っているというのは

なんと力強い自由であろうかと

そしてなんと寂しいことであろうかと

白い山の麓から私は

見上げるばかりだというのに

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