新天地

うさみゆづる

賢者へ

馬鹿のふりをするな

無知こそ愛嬌という者のために

へらへらと愚鈍にへつらい

己を押し殺してまで

馬鹿のふりをするな

賢さを劣等感にするな

貴殿の価値もわからぬ者に

決めつけられた価値に囚われ

あれやこれやと悩んでまで

賢さを劣等感にするな

無知になろうとするな

その聡明さこそ美しい

賢者が無知を演じることほど

悲しいものは他にない

他にない

ああ、だからどうか

どうか賢者よ

馬鹿のふりをしてくれるな

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る