新天地
うさみゆづる
賢者へ
馬鹿のふりをするな
無知こそ愛嬌という者のために
へらへらと愚鈍にへつらい
己を押し殺してまで
馬鹿のふりをするな
賢さを劣等感にするな
貴殿の価値もわからぬ者に
決めつけられた価値に囚われ
あれやこれやと悩んでまで
賢さを劣等感にするな
無知になろうとするな
その聡明さこそ美しい
賢者が無知を演じることほど
悲しいものは他にない
他にない
ああ、だからどうか
どうか賢者よ
馬鹿のふりをしてくれるな
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