転生したら、うんこだった剣

うんこ

第1話 うんこ

異世界に転生したらうんこだった。


「え、ちょ……」


俺は言葉を失う。

だって目の前には巨大なドラゴンがいたんだからな!

しかもめちゃくちゃ怒ってるっぽいし!!

あーこれは死んだわ……。

いやでもさすがにいきなりこんなのは酷すぎるだろ!

心の準備も出来てないしレベル1だし装備もないぞ!?


「グオオォオ!!」


そんなことを考えているとドラゴンが口から炎を吐き出した。


「うおぉおおっ!」


俺は慌てて横に飛びそれを避ける。

ギリギリで間に合った……けど危なかったぜ……。

だが安心している暇はないようだ。

どうやら俺を殺す気満々らしい。

すぐに次の攻撃が迫ってくる。


「クソッ」


俺は悪態をつくと必死になって走り出す。

後ろを振り返る余裕なんてない。

ただひたすら前へ前へと走るだけだ。

しかし相手も飛んでいるせいか全く差が縮まらない。

このままじゃ確実に追いつかれるだろう。


「ど、どうすればいいんだよこれ……」


逃げながら呟く。

すると突然頭の中に声が響いた。


(ふむ、困っているようですね)


なんだ?誰の声だ? 辺りを見回してみるが誰もいない。

ということは脳内に直接語りかけているのか?


(その通りです)


また頭に響く声。

なるほど、これが念話というやつか。

てことはやっぱりこの声の主が助けてくれるってことなのか?


(はい、そうですよ)


なら頼む!


(転生したら、うんこだったなんてかわいそうですねw)


wじゃねーよ。


笑い事じゃないんだけど!? もうちょっと真剣に考えてくれませんかね!


(ごめんなさい、つい面白かったもので)


おいコラふざけんなよ!


(まあまあ怒らないでください。うんこでいいじゃないですかw)


wやめい。


(うんこなりの戦い方をしなさいよwwww)


w増えてるし。


あんた絶対楽しんでるよね?


(当たり前じゃないですか)


断言されただと……!


(私はあなたの味方です。だからアドバイスをしてあげましょう)


本当か?助かるよ!


(まずは落ち着いて相手の動きをよく見てください。それから次に相手がどんな攻撃を仕掛けてくるかを予想するのです)


……わかったやって見るよ。


(では頑張ってくださいwwwww)


だから草生やすなっての!


てか何で念話にwだせるん?


LINEかこれ?


そして謎の声は聞こえなくなった。

よし、やってみるか。


「グルアァア!!」


ドラゴンが大きく口を開ける。


「やあ!」


俺はドラゴンの口の中に飛び込んだ。

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