第76話 青森のダンジョンへ
ダンジョン配信とは、最近流行りの探索者によるダンジョン攻略を一般人向けにドローンカメラを使って配信を行うコンテンツである。
「ダンジョン配信ねぇ。あんまり興味はないな。やれと言われればやるが。」
「不動。今世間ではお前は強すぎるあまりに怖がられているのを知っているか?」
「知らん。弱者の言う事なんて気にしない。」
「そういうところだぞ。お前はもっと他者を慮れ。久しぶりに連絡して来たと思ったら散々こき使いやがって。」
半ば呆れて不動をジト目で見る瑛二。
「そうは言ってもこの世界はもう弱者には厳しいだろ。強さこそ全てだ。」
「だったら俺は弱者だ。お前は俺を見捨てるのか?」
「ぐっ…。確かにお前は探索者ではないからな。だがお前は俺が守ってやる。他意は無いがそれで良いだろ。」
「お前がいない時はどうする。弱者だからと見捨てるのは違うだろう。強者だけの世界なんて面白くもない。それに戦闘力だけで判断して決めるのも間違っている。」
「それはそうだが…。はぁ。分かったよ。やればいいんだろ?んで、具体的にどうする。」
「あぁ。まず、日本のダンジョンをクリアしよう。順調にクリアしていけたら、次は海外だ。S級探索者はパスポートはフリーだ。まぁS級特権ってやつだな。」
「海外か。少し興味が出て来た。海外の探索者の強さを見るには良い理由になる。」
「じゃあ早速準備をしよう。編集は俺の知り合いに凄腕の奴がいる。そいつに任せるけど良いか?」
「何でもいい。俺は何をすればいい?」
「お前はひたすらダンジョンを圧倒的な強さでクリアするだけでいい。それで世間の反応を見よう。ダンジョンブレイク間近のダンジョンメインに攻略しようか。」
「分かった。」
「よし、明日からだな。色々準備してくるから今日は適当に過ごしていてくれ。」
「分かった。」
不動は家に帰り、家族と共に何気ない日常を過ごした。次の日。
「じゃあ行くぞ。まずは青森のダンジョンから。転移は出来るんだったよな?」
「あぁ。青森で行ったことのある場所にしか行かないがな。」
「分かった。じゃあ一緒に行くぞ。一度行ってみたかったんだ。」
✳︎
青森県青森市。
港町として江戸時代から栄え、美しい景色に目を奪われる。観光地としても優秀であり、住みやすい街である。ねぶた祭りが有名。
「すっげ。マジで一瞬だな。便利すぎだろその能力。」
「まぁな。でも俺はもう人間では無くなってしまったのがたまに悲しくなるがな。」
「些細な事だろ。神だろうが人間だろうが。」
「些細ではないだろ。神と人間だぞ。まぁお前は昔からそんな感じか。」
「そゆこと。じゃあ飯食って早速ダンジョン行こうぜ。」
昼ごはんを食べる。
勿論、海鮮料理屋に行き、舌鼓を打つ。
全ての料理が美味い。
「ここか。青森のダンジョン『水精のダンジョン』。難易度はA級。」
「A級。世界屈指の難易度だな。アメリカや中国にはSS級まであるらしいが。日本にはS級が最高だっけ?」
「あぁ。北海道のダンジョンな。あれも直ぐにクリアしないとな。」
「裏方は任せろ。じゃダンジョン配信行ってよー!!」
青森のダンジョンへと歩いて行く2人であった。
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