#140字小説

陰陽由実

死後の夢

人は心臓が止まったあとでも2分程は生きている、みたいな話を聞いたことがある。


ピーという機械音。

啜り泣く音。

誰かの声。


……死んだんだ私。


しかし、しんみりした空気の中、場違いにも私はこんなことを思った。



『お母さんの鮭のおにぎりが食べたい』



……あ、お母さん、今は天国に住んでるんだった。

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