2023-6-15

不整脈の発作が起きて、一限を途中退室した。講義も抜け出すほど、辛い思いをしたであろう私に、クラスのイキリがかけた最初の言葉は心配ではなかった。羨望だ。不整脈ってなんかカッケーね。おおかた、その言葉は、病気=希少=カッコイイという思考から来る言葉であろう。そんな気味の悪い連想ゲームを行える人間に私の苦労をわざわざ話す気にもならないので、軽く流した。彼とは金輪際深く関わる気はないので、不快にさせない程度に、適当に、聞き流すように、応答した。私はADHD,パニック障害,不整脈,脊髄側湾症を患っている。脊髄側湾症以外は中学の頃に、発症または発覚した。その頃も似たような羨望の言葉をかけられたが、大学生にもなって、陳腐な思考回路を持ち合わせている人間が存在する事実が不快、そして不思議だ。身体と精神の発達が釣り合っていないのも一種の障害だろうか。おめでとう、君もカッコイイよ。彼にそう言葉を放っても、意味はわかるまいが、そこも彼にとってはカッコイイに変換されるのだろう。気分が悪い。実はそうだ、煙草を辞められないでいる。これは懺悔でもある。認められたいと言うよりも、もっと人間らしい単純な咽びに近い。特筆することは無い。家族にも打ち明けている。ただそれ以外に隠し続けていることが辛かった。ストレスを言い訳にしていると言われても仕方がないかもしれない。私はやはり、カッコイイと皮肉を言われて当然の存在かもしれない。

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