第36話

「おにいちゃん! あれ!」

「うぎっ!!」


 よく見ると、俺の影が従えている影に刀を持った奴が何体も混じっていた。

 ええーい!

 考えてもしょうがねえええ!!

 今は、この窮地を脱しないと!!


 心影流は最強の守りの技だってここでも証明してやる!!


 でも、絶体絶命かもな……。

 妹もいるし……。

 

「おにいちゃん……逃げたら?」

「いや、ダメだ! 影斬りの刃が……」

「うーん、たぶん影は知らないんじゃないかな?」

「……でもなあ。影が影斬りの刃を見つけてしまったら?」

「うーん……」


 徐々にこっちへ近づいてくる影たちに俺は冷や汗を掻いた。

 

「あ、こんなところにいた! 病院に行っていないの!」


 後ろを振り向くと、夜の暗闇の中から……あのホームセンターの杉崎がいた。

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