PM 18:40

ピザ屋が来てから、俺は待った。それはもう長く。

………具体的に言うと一時間ほど。

だが誰も来なかった。

仕方がないのでピザと七面鳥を半分ほど食べ、(もう半分は冷凍)早めの夕食を済ませた俺は外へ出ていた。


飲まなきゃやってられるか。


そんな荒んだ俺の心とは正反対なキャピキャピした声が耳朶じだを打った。


「ねえ、どこいこっか♡せっかくクリスマスなら、ムードのあるとこ行きたーい♡」

「(名前は自主規制)の行きたい所なら、オレはどこでも……」

「や~ん、もー!(名前は自主規制)くんったら~っ♡」


…………あ゛? (←人を殺しそうな形相)


何だ、アレは。

あんな絵に描いたような不純異性交遊者バカップルもいるのか、とため息をつきつつ、辺りを見回してみる。


が。


「イルミネーション、きれいだねー(名前は自主規制)?」

「そうだな、(名前は以下略)」

「ふふっ。わたし、(名前は以下略)と一緒にいれて嬉しい……♡」


………………は?

俺(年齢=彼女いない歴☆)に見せつけてんのかお前ら。

……そういえば。


今日-----聖誕祭クリスマス不純異性交遊者ふじゅんいせいこうゆうしゃ------ゲフン、恋人クソリア充たちの祭りであった。


何だろう、十二月二十五日クリスマスには世の不純異性交遊者クソリア充どもを一斉に発情期にする効果でもあるのだろうか?

ああ、キリストだって自分の誕生日がリア充の祭典になるなんて思ってもみなかっただろうに。


そんなことを考えながら歩く俺の視界の端に、が映った。

……………これは。

俺は、反射的に手を伸ばしていた------



______________________________________

(名前は自主規制)のところは、身近なリア充さんの名前を入れて読んでみてください!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る