ちょっと聞いてよ清澄くんっ!〜掃除は苦手だが料理は得意の年上オタク女子と、掃除は得意だが料理は苦手の年下オタク男子のWIN WIN生活〜

🌸桜蘭舞🍒@暫くお休みします!

第1話 プロローグ


 「ちょっと聞いてよ、清澄くんっ!」

 「何だい? 白河さん」


 「今日ねっ、コンビニでお弁当買ったの」


 「アタタメマスカ」

 「お願いしますっ」

 「ハシイリマスカ」

 「あっ、いりません」

 「……スプーンデスカ」

 「……大丈夫です」

 「ジャ ナニデタベルデスカッ?」


 「キレられたのっ!」


 「イエデタベルカラ ハシアルデス」


 「ワカリマシタヨ!」 ニッコリ


 「……ねぇ、どう思う?」

 「……どうでも、いいと思う」


 「ゔっっ……」




 ……何で、こんなコトになってるのか?


 

 

 目の前には、栗色の髪がボサボサで、すっぴんに度の強そうなメガネ。


 アイボリーのパーカーに、襟首もヨレヨレのTシャツ、グレーのスウェットパンツ。



 ちなみにここは俺の部屋だ。



 彼女は、白河令美しらかわれみ、隣の部屋の住人だ。


 まるで自分の部屋の様にくつろいでビールを飲んでいる彼女。

 もちろん、俺の彼女なんかじゃない。


 ちなみに、俺は清澄海斗きよすみかいと、十八歳、大学一年、彼女無し。


 じゃあ、何で『長年連れ添った彼女』みたいなこの人が、俺の部屋に居るのかって?



 ……なんでだろう?



 ーーーー




 事の発端は三週間前。


 俺は、晴れて希望する大学に合格して、花のキャンパスライフを満喫するはずだった。


 でも、家から大学まで片道二時間、何をやるにも不自由で、おまけに電車賃もバカにならない。


 俺の家は母が女手一つで、俺と二つ下の妹を育ててくれて、苦労して大学の学費まで出してくれた。


 俺も、高校の時から、知り合いの清掃会社の社長の元、バイトをして生活の足しになる位は働いていた。


 一人暮らしなんて出来る訳無いから、家から通ってたんだが、これなら大学の近くに部屋を借りた方が、何かと便利だという事で、高校の時からコツコツ貯めた貯金と、春からバイトの時間を増やして、引越し代と当面の家賃を貯めた。


 そして今日、六月下旬のとある日、晴れて俺は一人暮らしをする事になった。


 バイト先のみんなに手伝ってもらって、引越し費用を浮かせた。

 みんなには、ファミレスで昼飯と、ささやかなバイト代を払った。

 

 午後イチで始めた引越しも、渋滞やらなんやらで終わったのが夕方になってしまった。



 ……すると、隣の部屋から、


 「一体もうっ、何時だと思ってるのよ? いつもいつも、迷惑なのよっ!」


 頭ボッサボサでグレーのスウェット上下の、いかにも寝起きの女の人が出てきた。


 

 「五時、ですけど?」

 「早朝でしょ? 迷惑考えなさいよっ!」

 「十七時ですけど?」


 「はっ?」

 「えっ、……夕方の五時なの? 何時間寝てたのよっ、私っ?」


 「……さあ、知らんわ?」



 「あっ俺、今日隣に引越して来ました清澄です! コレ、つまらない物ですが、どうぞ」



 「えーっ、あの隣のヤツ、いつ居なくなったのよっ? ベランダでタバコ吸って、本当部屋ん中匂い入って来るのよっ! それでいつも夜中に騒いで、うるさくてさぁー、……そのくせ、こっちの音がちょっとでもしたら壁蹴ってくるし! アッタマ来たから乗り込んでやろうかと思ったけどっ、こんな、か弱い女のコ一人で行ったら、……あんなコトや、こんなコトされちゃうかもしれないし、やっぱり怖いから、管理会社に連絡したのよねーっ」



 ……機関銃の様に話が止まらない。



 「あっ、ここのマドレーヌ美味しいヤツでしょ? ゴメンねっ、いきなり怒鳴っちゃって、ふふっ、遠慮なくいただきまーす♪」


 「あっ、私は白河令美、よろしくっ、オトナリサンっ!」




 ……ご近所トラブルって、引越してみないと分からないよな。

 まぁ、ある意味、引越し初日に顔見知りになれて良かったのかな。



 ……それとも、コレはご近所トラブルのウチに入るのかも?



 

 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※


   お礼と ーーーー お願い♪


 一話だけでも読んで頂きありがとうございました♪ 桜蘭舞(サクラン)ですっ!


 続きが気になるっ? 白河さんってヤバい人? それとも……って思った方は、


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