第54話

「はるさんの撮影を俺が?聞いてません。準也さんの撮影だと…」


「たぶん言ったつもりになってる。撮影早く始めよう」


美月さんはあっさり言う。なんていいかげんな人なんだ。

まぁ、はるさんの撮影はやったことあるし、そんなに面倒ではない。はるさんは、白河さんに学んだのか知らないが、服の見せ方だとか得意のようだ。


「いいですよ。美月さんもう少し右に」


「はい」


キビキビ動く美月さん。なんでも器用にできる人なんだなぁ。


「はい、okです」


「ありがとうございます」


「はるさんチェックしますか?」


「あ、はい」


「俺も見たい」


美月さんも寄ってきてみんな撮影したものを確認。


「おお、藤原さんいいですよ。…あ、足助さん!撮影終わったんで見ますか?」


「ん?」


美月さんは、デザイナーにも確認させたいらしい。


「かわいい!はるちゃんすごくかわいいよ」


「ありがとう」


…なんだこれ。服の感想ではないような?


「よし。じゃあはるちゃん。今日は準也さんの撮影になるし帰っていいよ」


「はい。…実くんは?」


「んー、お昼ご飯食べにはるちゃんと家に帰る」


「それじゃあお疲れ様でした」


…え?

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