第33話
食後に長山さんが社長に連れ出されて、社長室にやってきた。
「…あー!このおじさんが長山さんかぁ!」
「…はい。準也から話を聞いたんですね」
「実くんだめだよ、指さしたら」
「あの、長山さん。藤原さんを沖縄に異動すると問題ありますか?」
社長は無視してさっさと切り出す。
「…カメラマンとして、でしょうか?」
「はい。準也さんはモデル業もありますから。彼はアシスタントでないといけない理由はありますか?」
「ないです。もともとカメラマンで雇っていましたが、ちょうど美空が復帰したので枠がなくなっただけです。美空に気に入られてしまったようで、雑務をさせられています。彼は映像系の大学も出ているので、問題ないかと」
「決まりですね。じゃあ、藤原さんの仕事は美空さんとスタッフでまかなえますか?」
「可能です」
「では、1週間後までには沖縄へ」
「わかりました。私から話をしておきます」
「ありがとうございます」
もう藤原さんのこと決まった。いつもこき使われていて、気になってたし。沖縄ではカメラマンしてほしいな。
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