第10話

「この服のモデルは、はるさんと候補にさおりさんもいます」


「そうなんですね」


「それから、準也さんは男性の服も作って、自分もモデルになりたいとのことです」


「自分勝手ですね」


相変わらずだ。


「それで…長山さん。私は英語がそれほど得意ではなくて。準也さんからのメールを読むことに時間がかかってしまって…」


「…それは、申し訳ありません。おそらく、日本語に変換すると時間がかかると感じ、英語で入力しているのではないかと思います」


「長山さんは読めますか?」


「はい」


「これなんですけど…」


携帯を差し出された。

…準也というのは、全く。友達にメールするみたいな文章だ。使い分けないとか、困ったものだ。こんなに省略しちゃだめだろ。それに専門用語は社長はまだわからないだろうに。配慮なしだ。

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