飴ちゃんと恋ちゃんの嘘~この愛を守る為ならこの身を全て捧げよう~【彼×彼と彼女×彼女のお話】【仮】
三愛紫月
プライドないの?
俺の名前は、
千歳飴ってあるだろ?あれと同じ漢字と雨をかけてあだ名が飴ちゃん。
「飴ちゃん、プライドないの?」
「は?別にねーよ」
「はい、5万」
「サンキュー」
俺は、この男の玩具だ。
今をときめくイケメン俳優だ。
イケメンだから、いいんだけど。
「
「ああ、あっちはレズ」
「煙草煙いから」
俺は、窓を開けに行く。
「飴ちゃん、ヤキモチ妬いてんの?俺達、そんなんじゃないじゃん」
「知ってるよ。てめーが好きなのは、
「飴ちゃん、暇すぎて調べた感じ?だけど、俺、飴ちゃんをスタイリストに紹介された時は嬉しかったよ。こんなに、イケメンな声優が売れなかった理由はなんだったんだろうね?アプリ、
俺は、美麗に煙草の煙を顔にはかれた。
「ケホッ、コホッ、人の人生の汚点をサラサラと話すなよ」
「別にいいじゃん!もしかして、飴ちゃん、俺のキスシーンにもヤキモチ妬いてる?」
そう言って美麗はチュッて、唇を重ねてきた。
「妬いてない!やめろ。あっ、今まで散々世話になったけど。俺、明日から働くわ」
「どういう意味?」
「週刊誌に載ったんだし、ちょうどいいだろ?潮時だ」
「飴ちゃん、俺、別れないよ」
美麗は、俺を後ろから抱きしめてくる。
「駄目だ。週刊誌に追われるだろ?レズやゲイだって誰も信じないだろうし。俺は、金欲しかったから美麗とこうやってただけだし、美麗は俺を氷室のかわりにしてただけだろ?」
「飴ちゃんのそういうとこ嫌いだわ」
美麗は、また煙草に火をつける。
「俺もそろそろ身を固めたい。
「飴ちゃんって酷いよね。男も女もいけるからズルイよ。平気で俺みたいなの傷つけてくるね。
美麗は、煙草を灰皿に押しつけて消して、立ち上がった。
「何の仕事すんの?」
「ハリーさんから、紹介されたスナックのボーイだ」
「
「社長としては、当然だろ?稼ぎがしらだ」
「わかったよ。飴ちゃん。さよなら」
バタン…。
ほら、たいした事なかったろ?
なのに、涙が出るのは何故かな?
俺のこのクソみたいな人生の中の唯一の薔薇だったからかな。
美麗と出会った5年間。
美麗が、売れない俳優のままだったら一緒にいれたのかもな。
二日前ー
ピンポーン
「忘れもんか?」
「久しぶりだな。飴よ」
「あっ、ハリーさん。どうぞ」
「お邪魔します」
「コーヒーインスタントですが、いいですか?」
「ああ、お気になさらず」
この人は、
俺は、ハリーさんにコーヒーを出した。
「美麗が、昨年から爆発的に売れ始めたのは知ってるね?」
「はい」
「今は、引っ張りだこだよ。お陰で、美麗の忙しさは昨年の5倍に昇る。これから、もっともっと稼ぐんだよ。わかるか、飴?」
「わかってます」
ハリーさんは、煙草に火をつけながら話す。
「飴の時も、あのアプリでいけそうな予感がしてたのにな。飴にきたのは、バカな役だった。あの台詞のせいで俳優にもいけなくしてしまったな。本当に、すまなかった」
「謝らないで下さい。天涯孤独の俺を救ってくれたのはハリーさんですから…。感謝してます」
俺は、ハリーさんに頭を下げた。
「飴とは、もう23年の付き合いだな。美麗の事、理解して欲しい。それと、ここのスナックのボーイで働きなさい。話しは、通してあるから…」
「感謝しています」
「じゃあ、またな。飴」
そう言ってハリーさんは帰っていった。
じゃあな、美麗。
この日俺は、美麗を失った悲しみを感じながら眠った。
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