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  • アリエス(7)への応援コメント


     あらすじに「愛と愛を巡る」切ない物語、と、やらずのさんは書かれていました。
     けれど、私には愛というより「業(ごう)」に思えます。

     ――母性とは本能ではない。才能である(山口貴由)――多くの母親と言うものは母性の天才です。ですがそうでない母親もそれなりにいて、この物語の母親もまた、絶望的にその才能がない。
     主人公に対してばかりか、母親自身が宿した存在に対する思いも、我が子として愛そうというものではなく。友としてかあるいはまた別の想いでか、愛した者と再会したいという想い。
     そして、それでも主人公は母への愛を捨てられない。

     ……やはり、愛というよりは業。あるいは、愛という名の地獄を巡る物語。そんな気がします。
     ……とりあえず切なくはない! 切なくはないかなー(個人的な意見です)! 切なさを越えて、痛ましい、ぐらいの感覚です。個人的な心の痛覚レベルでは。

     ラストで母親から生じた植物を口に含んだ主人公は、それを取り込んだのでしょうか。あるいは口に含んだだけでやめたのかもしれませんが。
     食べていたのだとしたら、それで主人公も母の生まれ変わった命を宿したのだとしたら。それで、母親からの愛を得られるのか……というとやっぱり無理なんでしょうね。記憶を持ったまま生まれ変わるようだし、自分から見れば「子供」でもあるし……しかもそうなると転生した母親は、自分の子供としても自分の母としても、主人公を愛することができるのかどうか……。

     らせんを描いたまま決して交わらずすれ違い続ける心。
    ……やっぱりこれは、地獄の物語なのでは? 

     けれど、その地獄の中にあっても。
     主人公が最終的に、転生したアンを泣かせることで生かそうとしたこと。愛されないと知っていても、母親への愛を捨てなかったこと。
     矛盾することを言うようですが、それが救いであるのかも知れません。
     少なくとも主人公自身は、母性という才能を持った人だと思います。きっと。

    作者からの返信

    木下望太郎さん

    たしかに業かもしれません。
    実は、なんか書いているうちに話が色々と複雑になってしまい、キャッチコピーはやや迷走した感があります(笑)

    もはや母と娘の愛憎劇ですらあるので、痛ましいという表現はすごくしっくりきました。ありがとうございます。
    ローガン(主人公)の最後の選択のその先と連綿と続くだろう地獄に思いを馳せていただけたなら嬉しいです。

    丁寧にたくさん読んでいただき、また評価や感想まで、ほんとうにありがとうございます!!

  • アリエス(1)への応援コメント

     ゆっくりと読ませていただいています。
     いつもながらリアリティがあり、そしてこの作品には現実同様のやるせなさがある……興味深いです。