<73>死神とまた出会った

おや、死神さん

なんでここにいるんですか


いや、私がいる意味と言ったら

誰かを殺すため

それ以外にないでしょう


なんで死神さんは人を殺すんですか


さぁ…定められた役目、ですか


それなら人類を殺さなくても

いいんじゃないですか

私も殺されるのは嫌です


でも…この世には死にたがる人も多い

人類が増え続けたらどうなりますか


それでも、死にたくない人はいるでしょう

勝手に死神に殺されて

それを見た人たちが

ホラー本に盛りに盛って

書いていますよ


人類は死ぬんです

何もかもが死ぬんです

太陽だって寿命はあります

地球だって強がってますよ

太陽が爆発する前に

人類の数を減らして

苦しまないようにするんです


へぇ、興味深いですね


それに、地球以外にもたくさん星はある

人の数だって膨大です

私が殺すのは、人間だけじゃない


なるほど、それもそうですね

よくわかりました


それはそうと、私はあなたを殺しに来たんですが

なんでも、詩の中で病んでるそうじゃないですか


ああ、あれを見たんですか

そうですよ、死にたいと思ったことはありますとも


じゃあ、今すぐここで殺させてもらっても?


いや、それは待ってください

せめて、あなたのことを詩に書くまで


おっと、もうこんな時間だ

私はもう、宇宙へ帰らなくては


じゃあ、死神さん

いつかまた、太陽が爆発するときに


そうですね、いつかまた

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