第3話 真白華の心中

 ある日、お父さんが再婚して良いかと聞いてきた。



 相手の女性には私と同じ歳の息子さんがいるらしい。



 まさか同じ歳の異性と一緒に住まないといけなくなるなんて……。



 だけどそれが嫌だなんて言えない……。



 今まで男手ひとつで私たち姉妹を育ててくれたお父さんには幸せになって欲しい。



 だから私はなんの躊躇いもなく、いいよって頷いた。



 顔合わせで向こうの家族と会うことになった。


 会ってみてすごく驚いた。

 まさか同じクラスの笹倉くんだなんて……。



 彼は私が学校で聖女様なんてふざけた呼ばれ方をされていることも知っている…と思う。



 私はそんな崇められる様な存在じゃないし家でまでそんな風に見られるなんてまっぴらごめんだ。



 それにそもそも話したこともない男の子と一緒に住むなんて警戒しかない。

 今のところは……。



 だから、両親の前以外ではあまり馴れ馴れしくしないで欲しいと言ってしまった。

 少しきつい言い方になってしまったかもしれないけど…。



 幸い彼はチャラチャラした感じの男子ではなくて髪と眼鏡であまり顔は見えないけど、おとなしそうな感じであまり害は無いかもしれない。



 私は学校でよく告白されるけど、自分が少し顔が整ってるからって上から目線で言い寄ってくる男ばかり。

 それに私と喋ったこともないのに…。

 見た目には自信がある…から、顔しか見てないんだろうけど、本当にそればかりだから辟易とする。



 だから、プライベートで男の子と関わるのは嫌だなぁと思う。

 私は人付き合いとかあまり好きじゃないし……。




 私がああ言ってしまったからか、彼は帰りが少し遅い。



 私と心奈と彼の3人交代で晩御飯と朝ごはんを作ることになっている。

 彼が当番の日以外はどこか寄り道してから帰ってくる様になった。



 ちょっと悪かったかな…とも思うけど、家族を壊さない程度に距離を空けてくれるのは正直助かる。



 今日は私が当番だったから、彼が好きらしい肉じゃがを作ってみた。

 お義母さんに聞いたら嬉しそうに教えてくれた。


 これくらいなら……大丈夫だよね?

 

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