第3話 ハプニング発生

 その時、強い横揺れが襲った。私達は抱き合って悲鳴を上げる。

「わわっ、なにこれ、地震?」


 幸い揺れはすぐに収まった。


「結構大きかったね、震源どこだろ?」

 テレビをつけようとした瞬間、電気が消えて部屋が真っ暗になった。


「えっ? 何? ブレーカー落ちた?」


「テレビで落ちるってどんだけ電力低いブレーカーよ! これきっと停電だと思う」


 私は暗闇の中でカーテンを開ける。

 マンションの常夜灯も全て消え、外には真の闇が広がっていた。


「やばいー! 時間がないのに電気も使えないってこと?」


「ネットニュースだと余震に注意って言ってる。いつ復旧するかわからないし、ライフラインとして携帯の電池はとっておきたいわ」

 私は携帯の画面を落とし、懐中電灯をつける。


「やばいって。パソコンのバッテリーあと20%ぐらいしかない! ねぇシノ、充電器ない?


「モバイルバッテリー最近使ってないからなぁ。多分充電切れてる。あと私のパソコン、昨日カバンに入れっぱなしだったからほとんど充電ない」


「ええっ!? それじゃあ調べものできないじゃん? 今から文献なんか借りて来れないし……こうなったら記憶をかき集めて書くしかないわね」


「この状況でも諦めないっていうところが、マミのすごいところよね」

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