闇に叫べ!1 清水殺人事件

鷹山トシキ

第1話

 清水は、駿河湾奥・折戸湾に臨む天然の良港である清水港を中心に古くから海運の中継地や水軍の基地として発展した港町で、近代以降は茶の輸出が始まり国際的な貿易港となった。その後特定重要港湾の指定を受け、清水港臨海地区には多くの企業や工場が立地し、高度経済成長期に産業都市として大きく成長した。また江尻・興津・由比・蒲原はそれぞれ旧東海道の宿場町として栄えた歴史を持つ。


 漫画家さくらももこ原作の漫画「ちびまる子ちゃん」の舞台として、またJリーグ所属のサッカークラブである清水エスパルスのホームタウン(本拠地)としても知られる。


 旧清水市の区域は全国で唯一、特例市(2001年)、中核市(2003年)、政令指定都市(2005年)の順に全ての指定を受けたことがある区域である。


 国土地理院によると清水区の東西南北それぞれの端は以下の位置。東端は富士川河口右岸富士川滑走場付近、西端は真富士山の南約1.3km、南端は蛇塚の滝ヶ原川水系滝ヶ原川河口左岸、北端は青笹山の北北東約0.86kmである。また、2010年国勢調査結果に基く人口重心は辻3丁目4付近にある。


 1月8日 - NHK大河ドラマ『平清盛』放送開始(-12月23日)。

 名古屋のヤクザ組織・芥川組(本部)の傘下で、清水の硴塚かきつか組組長の妻・硴塚桜は、収監中の夫・硴塚龍臣に代わり組を取り仕切っていた。

 桜は綾瀬はるか、龍臣は伊藤英明に似ていた。

 ある日桜は親友・菜奈のために清水の実家に訪れて不動産業者の跡取りとの縁談を持ちかけるが、その直後、芥川組組長急死の一報が入る。

 菜奈は内山理名に似ていた。

 皆は病死と言っていたが、芥川は風邪すら引かない強靭な男だった為、桜は毒殺を疑った。

 遠藤久美子似の芥川の妻・遥がマスコミの前で会見を開き、遺言により跡目が芥川組若頭、伊豆沢右近に決まったことを報告する。しかしこれを不服とする別の芥川組幹部・松永康夫は芥川組を離脱し幻龍会を結成し、桜に味方につくよう頼むが拒否されたことで芥川組や硴塚組と溝が生じる。

 伊豆沢右近は及川光博、松永は勝村政信にそれぞれ似ていた。


 1月11日 - 広島県広島市の広島刑務所に服役していた中国籍の男が突如脱獄、全国に指名手配、2日後に同市内の路上で発見され身柄を確保、後に逮捕(広島刑務所中国人受刑者脱獄事件)。

 

 バイト先(東ブロック、愛染町)のスナックで客・嵐山若葉らんざんわかば(木村拓哉似)に口説かれた菜奈は、後日、一人旅でバリ島に行くと一組の親子と旅行中の嵐山と偶然再会する。嵐山は宿泊する部屋に菜奈を招き入れた途端、背中の刺青を見せてヤクザだと明らかにし菜奈を脅し、力ずくで男女の関係を結ぶ。菜奈は今までにないほど愛液を出した。傷心し帰国した菜奈は桜に縁談を断ろうと、旅先でヤクザ者と出会ったことをほのめかすが、桜は聞く耳を持たずに見合い話を進める。

 そんな中、清水のマンションで頭を銃で撃たれ伊豆沢右近が殺され、後日出頭した犯人の顔をニュースで見た菜奈は、バリ島で嵐山と一緒にいた男・巌流島だと気付く。巌流島はどことなく國村隼に似ている。


 1月17日 - 第146回芥川賞・直木賞の選考会が行われ、芥川賞に円城塔の「道化師の蝶」(群像7月号)と田中慎弥の「共喰い」(すばる10月号)、直木賞には葉室麟の「蜩ノ記」(祥伝社)が選ばれた。

 真相を確かめるため嵐山に会った菜奈は静岡県警の刑事だと身を明かすと、嵐山から「跡目殺しの真犯人は俺だ」と打ち明けられる。菜奈に惚れた嵐山は勝手に結婚を決めるが、その気のなかった彼女は戸惑いながらもその後次第に彼との人生を意識し始める。一方、芥川組二代目襲撃事件を幻龍会による宣戦布告と受け取った芥川組は全面戦争することになる。


 2人死亡 🔖


 1月20日 - 東京大学、秋入学へ全面移行するとした素案を正式に発表。

 この状況に遥は関東の組織の力を借りての手打ちを考えるが、その案に否定的な桜は土下座をして頭を下げて手打ちを待ってもらう。意を決した桜は気会副会長・松永と2人きりでの話合いの席を設け、幻龍会の解散を説得して何とか和解にこぎつけ芥川組との抗争を終わらせる。しかし組のために危険を冒した嵐山は幻龍会解散に納得できず、松永をナイフで脅して話を撤回させようとするが逆に深手を負わされ失踪する。同居する父の急死により遥が名古屋の本宅に身を寄せると、後日、人づてに嵐山の居場所を知る。


 1月25日

 東京都心でNTT docomoの携帯電話に通信障害。千代田区、中央区、世田谷区などの14区で、一時メールの送受信、インターネットへの接続が困難に。最大252万人に影響。

 桜に嵐山のことを話した菜奈は本宅を出ていこうとするが、長年極道の妻として苦労してきた桜は菜奈をヤクザの妻にさせまいと引き止める。2人は互いに意志を通す内に喧嘩に発展し、壮絶な取っ組み合いを繰り広げるが、最後は菜奈の思いの強さに桜が負けを認める。

「アンタ強くなったねぇ」

 菜奈に一人前の極道の女房になるよう叱咤激励した桜は、親友の縁を切った上で嵐山のもとへ送り出す。数ヶ月間に渡る組の危機を乗り切った桜は刑務所近くに向かい、出所し帰って来た夫を万感の思いで出迎えるのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る