第1回 #架空レビューコンテスト

【017】パワーワードから始まる良い話

タイトルとキャッチコピー、出だしの文章から、最初はギャグチックなコメディ作品かと思って読んでいました。

でも、最後まで読んでその印象は変わりました。

途中で主人公は、人の悪意のようなものに出会うことになります。そして、自分の中にもその悪意と同じものがあると気付いてしまう。

たいしたことじゃない、誰の中にもありそうな、ほんのちょっとした気持ち。それが悪意と同じものだと気付いて、ショックを受ける主人公。

そこから主人公の気持ちがどう動いてゆくのか、それがタイトルの意味と合わさって昇華されてゆく様子に、自分の心も少し救われたような、そんな温かな気持ちになりました。

騙されたと思って読んで欲しい。そんな作品です。