【006】ヤンデレ女子とハサミとアルコール

 端的に言えば救いのない物語なのかもしれません。それなのに不思議とじんわり心に染みるこの読後感は何なのでしょう。


 本作の一番の魅力はなんといっても主人公の語り口です。とりとめがなく、整合性もまるでとれていないにもかかわらず、不思議と引き込まれてしまう。ヤンデレという最大の欠点が見えているにもかかわらず、彼女と付き合ってしまう男たちの気持ちがほんの少しだけわかります。


 そして最後に待っている衝撃の展開。ハサミがそう登場するのか! と思わず膝を打ちました。あなたもこのヤンデレワールドに引きずりこまれてみませんか?

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