アイスさんとふわ雪さん

林風(@hayashifu)

第1話

街や、公園の木が、いつしか春のものになろうとしていた。

春を迎えようとしている頃、受験生は、学校に合格し、桜を楽しむ。春がやって来る。

ぼくが参加している、snsの中学生は、高校入試で苦しむ子がたくさんいた。高校入試が始まる直前の夜に、「どうしましょう。緊張して眠れないです」と、snsで知り合った子から、メッセージが入ってきたことがあった。顔も、声も知らないぼくなんかに、そんなメッセージをくれるのだ。

ぼくは、少々、適当ではあったが、高校に受かってからのことを考えてくださいと言った。その子は、「アイスさん」という。

一つ、想像しやすいように、話をつくってあげた。

そこらへんは、小説も書いていたことがあり、容易いことだった。

「アイスさんは、高校に受かりました!見事、合格して歩いていると、うちに入れと、部活を勧誘してくる先輩たちに、アイスさんは、辟易しています。さあ!運動部に入ろうか、文化部に入ろうか?迷っているアイスさんの横を男の子が通り過ぎていきました。男の子は、バスケ部に入っていきました。アイスさんは、そこで決意します。バスケ部のマネージャーになって、この男の子を応援しようと。アイスさんの恋のはじまりです。この話の先は、アイスさん自身が作るのです。アイスさんしか作れない、青春ラブストーリーのはじまり、はじまり~」

とメッセージを送ると、その子は落ち着いたのか、

「高校に受かってからのことを想像して寝ます!」と返ってきた。

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