第86話 笑顔

 俺達はドラゴンの住処を発見する、依頼を受けてウォルド領を出た。

 ドラゴンが現れたのが街道だから、とりあえずそこまで行ってみるか。


 Agility素早さUPを使い、俺達4人は走り続ける。

 目的地に着くまでに、パメラさんに聞きたいことがあった。

 走りながら俺は、パメラさんに聞いた。


「パメラさん聞きたいことがあります」

「な~に、エリアスっち。私のスリーサイズ?」

 いえ、知ってますから。


「違います、治癒魔法に付いてです。いつからできるようになったのですか?」

「あれはね…」


 3人と個々に寝ているが寝る前に、前世の知識や話などを聞かせていた。

 その中でも一番、熱心に聞きたがるのがパメラさんだった。



 最近、新しいスキルが身に付いていた。

 それが【スキル】情報共有だ。

 不思議なものでお互いのおでこを付けると、俺の思うイメージを相手に伝えられるようになっていた。

 そしてしばらくは意思の疎通が離れていてもできるようになった。

 テレパシーか?


 それはオルガさん達だけなのか、それとも他の人でも可能なのか、試したことが無いから分からないけど。

【スキル】世界の予備知識を使い、嫁3人は自分の興味のあること色んな知識を吸収していった。

 その時にパメラさんも医学的な知識をインストールした。



 人の身体の体重の60%は水分であること。

 そして水魔法と人体構造がわかれば、回復魔法が使えるようになることを話した。


 まるで俺がパソコンでオルガさん達が、検索で知りたい知識を得るように。

 知識を得ると同時に、知力も上がっているを知らなかった。

 俺をベースにして彼女達の能力が、上がることもその時は分からなかった。



 その俺の言葉を信じたパメラさんは回復魔法を習得したようだ。

 魔法はイメージ。

 こうなりたい、こうしたいと思う事が大切だと俺は言っているから。


 そんな俺の話を信じ、実現するパメラさんを可愛いと思った。

 そしてなんて『ご都合主義』な世界なのだと。



【メンタルスキル】沈着冷静をOFFにしてから、それは確信になった。

 3人と関わる内に考えが変わった。


 この世界で俺を見てくれるのはこの3人だけ。

 このまま続くのだろうか。

 いつまで俺を見てくれるのだろうか?

 

 人が誰かのために、何かをするのは当たり前ではないことを知っている。

 例え家族であってもだ。

 

 子供は肉親、でも奥さんは他人だ。

 だから慣れることなく、いつまでも思いやりと気配りを忘れないようにしないと。

 毎日が当たり前ではないことを心に刻め。


「「 エリアス君 」」

「「 エリアスっち 」」

「「 エリアス!! 」」


 考え事をしていた俺は、3人に声を掛けられ現実に戻った。

 そしてそこにはいつもの3人の笑顔があった。


 これからも守って行きたい笑顔が。


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