第50話 魔法はイメージ
「それでエリアスっち。エリアスっちの事も話して」
パメラさんから聞かれる。
俺は鑑定魔法が使え、熟練度により能力にレベルという概念があることを話した。
経験を積めば積むほど、人はレベルが上がり強くなることを説明した。
「鑑定魔法が使えるのは知っていたわ、前にウィルムを探すときに使っていたもの」
聞くと鑑定魔法はとても特殊で、持っている人が少ないらしい。
それだけで貴族や商人から引く手あまただそうだ。
「じゃあエリアスっちの魔法属性はなに?」
「生活魔法レベルですが火・水・氷・風・光の5属性です」
「「「 5属性!! 」」」
「エ、エリアスっち。5属性なんて普通はないのよ、分かる?」
「生活魔法レベルですよ」
「それでも5属性は珍しいの。生活魔法から攻撃魔法に発展するんだから」
「そうなんですか?」
「王都に行きましょうエリアス。鑑定魔法が使え、5属性も使えれば侯爵くらいにはなれるわ。ウシシシ」
「ルイディナさんまで、なにを言っているんですか」
「そうよルイディナ。ちょっとこっちに来て」
オルガさんと嫁2人は部屋の隅に移動して行く。
『いいエリアス君の事が国にわかったら、私達は同じでいられると思うの?』
『どういう事?』
『国に取り込まれたらどうするのよ。レベルを上げたエリアス君と寝れば、後天的に魔法が使えるようになるのよ。そんな逸材は居ないわ!』
『どうなるの??』
『貴族の奇麗な女性を、毎晩あてがわれエリアス君は種馬に。私達なんて側室でも、残れないわ』
『『『 ガ~~ン!! 』』』
『そ、それは困るな!』
『種馬、エリアス号なんて。私も困る』
『それならこのことは誰にも言わず、黙っている事よ』
『『『 分かったわ! 』』』
嫁達が戻ってきた。
何の話をしていたのやら?
「でもエリアスっち。どうして3人共に風の魔法なのかな。他にもあるのに」
「パメラさん。それは火と風だけがLV2だったからかな」
「「「 どういうこと? 」」」
「多分、することで能力を譲渡したんだと思う。風のレベルがLV2からLV1に下がっているから。譲渡するためには最低LV2。下げられるレベルでないと駄目なんだと思う。LV1だと『
「じゃあ、次はこのままいくと、火の魔法てこと?」
「う~ん、わからないけど。なぜ風かと言うと普段から俺は火は使いづらく、風魔法が良いと思っていたからだと思う」
「火は使いづらい?」
「火の魔法は火事になりやすいだろ、森や街中では無理だ。場所を選ぶ魔法だよ」
「そうね、倒すだけなら良いけど、素材を売るなら真っ黒じゃあね」
「じゃあ、エリアスっちは他の魔法がLV2になるまでしないの?」
「えっ!」
「だってすると今度は火だし。エリアスっちの、魔法のレベルまで下がるんだよ」
そんな事を考えてしている人がいるだろうか?
だがよく考えたら俺はもう冒険者じゃない。
だからレベルは関係ないのでは?
「俺はもう冒険者じゃないから、レベルは関係ないよ」
「ほう、それはしたい!と言う事ね。今夜は私の番なのよ」
そうなんだパメラさん。(泣)
さすがに4人部屋でそれは。
仕方ないのでその晩は、パメラさんに俺の知っている魔法の話をすることで許してもらった。
砂嵐を起こし視界を悪くして、目標に真空の風の刃をぶつけるウインドフレア。
術者を中心に半径10キロの地上に在るものを切り刻むエアクラッシュ。
複数の風の矢を成型し、目標に放つ複数相手のエアアロー。
風の力を借りて空を自由自在に飛び回る空中移動のウィング。
魔法はイメージが、どれだけできるかが大切だと話した。
敵を魔力で即死させる魔法。
自身の命と引き換えに魔力で敵全体を即死させる魔法。
『魔力を敵にぶつける魔法かな?』
『へ~、よほど魔力量がないと駄目ね。それに自分が死んだら意味がないよ』
洞窟や塔から一瞬で脱出する魔法。
一度行ったことがある町や村へ一瞬で行ける魔法。
『この2つの魔法は空間を繋げて使うんだよ』
『空間?』
『空間と言うのはね…ボソ、ボソボソ』
移動時に強い魔力を出し、弱い魔物を寄せ付けなくする魔法など。
その度にパメラさんは『凄い!!便利だわ。私、覚える!』とはしゃいでいた。
できませんから。
そして必殺技を発動する時に
「封印されし我が右手の力を解く時が来たようだな」とか、
「我は闇の魔族と戦う邪眼を持つ者。ぐっ…左眼がうずく」
と、一言いうと相手を威嚇でき威力も増すとか、あることないこと話した。
それは日ごろからの練習が大切だとも教えた。
「漆黒の闇から目覚めし、我が力を解き放とうではないか」
(起きようかな?おはよ)
「弱肉強食のこの世で強者の私が試そう」
(いただきま~す)
「体の封印を解こうではないか」
(トイレに行ってくるね~)
それからしばらくの間、パメラさんが変だった。
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