第2話 創生魔法

「おいおい坊や、こんな所で寝ていたら危ないよ」


 肩を誰かに揺さぶられ目が覚めた。

 腰ぐらいまである丈が長めの上着とズボンを履いた、中年のおじさんが目の前に立っていた。

 どうやら道端に座り込んでいたらしい。

 馬車で通りかかる際、心配になって声をかけてくれたのだろう。


「ありがとう、おじさん。街に行くのはこの道でいいのかな」


「あぁ、この道を真っ直ぐ行って二時間くらいだ。気を付けていくんだよ」


 そう言うとおじさんは馬車に乗り、去っていた。

 歩く平均速度が時速約4㎞だとすると街まで後8キロくらいかな。


 俺の服もおじさんと同じようなもので、違いはフード付きのジャケットを着て、首からバックを下げているくらいだ。


「坊や、て15歳設定だよな?」


 鏡がないので自分の容姿を見ることができない。まあ後で確認すればいいか。


 まずはすることがある。


「ステータスオープン!」

 名前:エリアス・ドラード・セルベルト

 種族:人族

 年齢:15歳

 性別:男

 職業:……

 レベル:1

 HP 50

 MP 100

 筋力  20

 攻撃力 20

 防御力 40 

 知力  50

 器用さ 20

 素早さ 40

 運   50


 状態:良好


 所持金:500,000円


【スキル】

 生活魔法(火・水・氷・風・光)

 世界の予備知識


【ユニークスキル】

 異世界言語

 鑑定

 時空間魔法ストレージ(カスタマイズ可能)


【メンタルスキル】

 沈着冷静

 高速思考

 魅力(人から好感を持たれる。発動しないこともある)


【加護】

 女神ゼクシーの加護

 愛し子


 う~ん。ステータスは防御力、知力、素早さ、運が少し高いくらいか。

 バックはからでストレージの中はお金だけ。

 所持金に異世界言語のおかげで円表示が出るのは分かりやすくて助かるな。

 それに500,000円も、入れてくれるなんて。

 優しいな女神ゼクシーは。


 ただ地球人だった時の感覚なのか、時間が分からないのは困るな。

 まずは創生魔法で腕時計でも創ってみるか。


【スキル・予備知識】発動。

 すると時計に関しての知識が頭に入ってくる。

 材質はステンレスだな。ステンレス鋼の原料には鉄。合金元素としてクロム・ニッケル・モリブデン・マンガン、チタンかな。

 道の片側に手を伸ばし『創生魔法:金属収集』

 よし集まってきたぞ、『創生魔法:金属合成』

 それっ『創生魔法:腕時計作成』



 く、く、く、く、できた、腕時計ができた。

 文字盤はブラック、数字や枠、メタルベルトはシルバー。

 秒針タイプでソーラー付きだ!


 そして気づいた。

 できたは良いが、困ったことに今が何時なのかが分からない。

 時報なんてないし。

 その為、時間が合わせられない……、べ、別に困らないし。

 街に着いたら確認しよ~と。


 そして俺は走り出した。


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