私の妹、貞子です~大丈夫、全然怖くない~
クラプト(Corrupt)/松浜神ヰ/ハ
第1話 謎のビデオと貞子
あーあ、面倒なことになっちゃった。何で部外者の私がこんなモノを…。
大学の帰り、私は憂鬱だった。ことの発端はついさっきのことだった。
*
「おーい、君がベルゼの彼女さん?」
「ベルゼって、
「やっぱりか。なぁ、今日ってベルゼの予定知らないか?」
「さあ。今日は会ってないし連絡も繋がってないけど…」
「そうか。本当はアイツが持って帰るはずだったんだけどな…。すまない、俺たちオカルト部の事情に巻き込むのは申し訳ないのだが、ベルゼ…いや、煉砥の為だと思ってこれを受け取ってほしい」
「これって?何のDVD?」
「違う、これはビデオテープだ。少なくとも、オカルト部ではそういう認識になっている。」
こ、これがビデオテープ?本当に誰がどう見てもDVDなんだけどなぁ…。
「わ、分かりました」
「まぁ、アイツから肝が据わってるとは聞いてるからよっぽど大丈夫だとは思うが…。次会ったらお灸据えておいてくれ」
*
結局、これのどこがビデオテープ何だか。
でも、オカルト部の持ち物ってことはまさか…。これがあの『貞子』の呪いのビデオだったりするのかな…?まぁ、家に帰って見てみれば分かる。そもそも私はオカルトを信じる方ではない。何で煉砥はあんなのに夢中になるのかな?
家に帰ってすぐ、私はDVDプレイヤーの電源を入れてそのDVDを入れた。けど、1分くらい経ってやっと再生されはじめて、無音で画面が少しバグっていた。すると、少しして中に白いワンピースを着た前髪が恐ろしいまでに長い女性が現れた。これってまさかあの貞子!?
そんなの冗談だよね…とは思いながら恐る恐る見続けていると、そこにいた女性がこっちを向いてきた。すると、その数秒後にこっちへ走ってきて、画面から腕が出てきた。
まさか、自分がこんな目に遭うなんてね…。驚きつつも冷静に、私はつい死を覚悟して目をつむってしまった。
「うぅ、
床に何かがおもいっきり落ちる音がしたかと思えば声がし、目を開けるとそこには白いワンピースを着た黒髪ロングの超絶美少女がいた。
何この
「君、大丈夫?どこから入ってきたの?」
「こ、怖くないんですか…?」
「え?別に怖くないけど、どうして?」
「…だって、私が急にテレビ…、だっけ?の中から出て来ちゃったから…」
そして私は察した。この娘があの貞子だった!?
「君、名前は?」
「輪廻、です。」
「お、お母さんとお父さんは?」
「お父さんは会ったことないです。でも、お母さんとはぐれちゃって…。ねぇ、一つお願いいいですか?」
「何?」
「り、輪廻、おねえちゃんと一緒にいてほしい、です」
輪廻ちゃんは、顔を真っ赤にしながらそう言ってきた。私もその可愛さについ赤面しちゃった…。
「いいよ。これからは私が面倒見てあげるね。」
「こ、子供扱いはやめてほしいかな…。まぁ、これからよろしくお願いします、おお姉さま!」
そう言って顔をほころばせている彼女を見て微笑ましく思う私であった。
続く
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