第11話 なんだ?

 うう、しかし酷い目に遭ってしまった。


 どうしてこうなった?

 しかもずっと簀巻きにされていたから、更に言えば転がりまくっていたから、体中が痛くて仕方がない。

 ずっと同じ体勢だった事もあり、暫く体を慣らしいておかないと動けねえな。


 そんな事を思いつつ、何か危険はないかと周囲を確認してみるが、何もない。

 いや、そりゃあ目の前には草が生えてるが、そういう意味ではなく、何か建っていたり、目印がないかとか。


 まあ身体がまともに動くようになってから、まずは道を見つけないとな。


 そんな事を思っていると、なんだか頭が痛む。

 あ?もしかして頭打った?

 おいおいこんな所で倒れたくないぞ?


 しかし、一度痛いと思ってしまうと不思議な事にどんどん痛くなり、暫く我慢していたが、だんだん我慢ができなくなる。

「うがあ!こんな死に方したくねえ!」


 しかも、痛みで意識が飛びそうになる。

 なんだよこれ?

 俺は此処までか?


 そう思ったら、ここで意識が遠のいていくのを感じる。

 あ、死んだな俺・・・・


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・



【おお!君、聞こえるかい?】

 ・・・・なんだ?


【僕の声が聞こえるかい?(やった!繋がったっぞ!これはラッキー!!しかもまだ絆が繋がってないぞ?これはチャンスだ!!)】


 ・・・・誰だ俺に語り掛けるのは?男の声のようだが?


【なんだよあんた。】

【あ、僕かい?僕はまあ、君の味方さ。】

 は?何を言っているんだ?めっちゃ怪しいじゃないか。

【何の用だ。】

【ああすまないね。君が困ってそうだからさ、助けてあげようと思ってね。】

【確かに困っているが、だからと言ってあんたの助けはいらん。】

【どうしてさ?困っている奴を見つけたら、助けるのは当たり前だろう?】

【そうなのか?】

【そうさ。で、君はこんな所でどうしたのさ?】

【なんか知らんがよくわからんまま追放され、捨てられた?】

【は?まあそりゃあ大変だったね。で、どうする?】

【どうするも、周りを調べ、道を見つけ何処か街にでも向かうさ。】

【だがどうするのさ?どっちに行けばいいかわかんないよね?】


 何だこいつ。何でこんなに食い下がるんだ?怪しさ全開だぞ?


【適当に歩けばどっかにそのうち着くだろ?】


【まあそうかもしれないけど、僕がアドバイスしようじゃないか!】

 いやアドバイスって・・・・この状況でどうアドバイス?それよりなんで俺の事を?というかなんで俺?


 この後暫く堂々巡りだったのだが、

【わかったよ、今回は僕がサービスしてあげるよ!サービス次第では信用してくれないかな?】

【あんた胡散臭すぎなんだよ。だがまあ、このままって訳にもいかないし、つうかなんだよサービスって?】

【それはね、今からちょっと周りを、僕の言う方向を調べてもらってから、近くの街へ到着するまでアドバイスをしてあげるよ。勿論タダだよ!契約もしないからさ。】


【何だよ契約って。】


【まあ試しに君の、そうだねえ、今いる場所から左へ少し移動すれば、そこに何か落ちてるからねえ、それを拾ってみてよ?】


 何だよ?何が落ちているんだ?







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