027 勇者誕生

「ジジイ、コレを見ろ!」

村長である私の家へ、ドカドカと若者が踏み込んで来た。

「『精霊の森に立ち入ってはならぬ』とか言って、立派な剣が岩に刺さってたが、どうだ!」

「抜いたか。なら行くがよい」

若者は満足そうに笑いながら村を出ていった。


鉄の剣が野ざらしで錆びずにいる道理も無い。

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