SuperShortStorieS

鳳亭風流

001 美人の条件

「夜目遠目、傘の内か」

 ある雨の夜、同僚と帰る途中、不意にソイツがそんな事を言い出した。

「少し先の電柱のとこ、何が見える?」

 言われて目をやると傘が置いてある。

 雨なのに、と不審に思い俺は覗き込んだ。

「なるほど、美人だ」

「ニャー」

 そこにはダンボールに入った仔猫が居た。

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