(二)-10

 翌週の月曜日、二限目の体育が終わり、私は急いで着替えて理科準備室へ向かった。

 前の週は、実験ではなく講義であった。そして今週再び実験になったのだ。

 私が理科準備室へ入ると、以前と同じように、スグルが部屋の中のキャビネットを開けて中の資料を見ながら一人で何かブツブツ呟いていた。

 私は彼のブツブツを明らかにしようと「何を読んでいるの?」と声を掛けてみた。授業の準備をそっちのけにして。まあ、実際には彼が既に全て済ませてしまっていたので、問題はなかった。


(続く)

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