第12話いつか

銃声を子守唄に眠る人がいる


微笑みは やがて訪れる


水の枯れた井戸に金貨を投じる


長い沈黙 長い孤独


戦争は終わらない


辿り着いた時 そこに辿り着いた時


弾け飛ぶのは


火花か幾らかの閃光か


止まない雨が踏みつけるのは


愛に満ち満ちた 美しき器達


銃声を子守唄に眠り人がいる


永き旅路の途中


幾度もすれ違う人々


話は聞きとれない


酷くか細い声だから


永く短い夢のようだ


夢の中で夢を 見ているようだ


微笑みはやがて訪れる


銃声を子守唄に眠る人がいる


夢の夢 そのまた夢が訪れる瞬間


微笑みは咲き誇り


一つの戦争が 美しくなく


終わりを告げる

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