第23話
この焦げたカリカリの所が摘まみに最高。
薄切りのベーコン作ろうか。
皮近くの脂の甘みと本体の赤身の味が混ざって、ラム酒が進む進む。
美味いじゃない。
食べて飲みながら、丸焼きをたまに回して遠火の強火でまんべんなく焼いていく。
脂が滴って焼ける匂いが、食欲をそそる。
そろそろいいかな?
削ぎ切りにして全員の皿に盛って、実食。
「こっちも最高ー!噛むたびに味が沁みだしてくる~」
「樹液ジュースも甘くて美味しいです!」
けっこうな量がたまってきたので、軽く煮詰めたらそれだけでかなり甘くなった。メイプルの樹液よりも濃いのかも。
肉を焼いて芳ばしい匂いがついてしまったので、食事が終わったら再度お風呂。
二人の髪を洗ってシャンプー、リンス。その際にスティアに競泳水着を着てもらっているのは単なる趣味である。
我ながら業が深い。
ヘレナは自主的に名札付きのスクール水着を着用している。
其処までは業深く無いような気がする。嫌いではないが。
最後に僕の頭も洗ってもらい、体も洗ってゆっくりと湯につかる。
極楽~。
寝ようとテントに入ると、なぜかヘレナが最後に残り僕たちを押し込んでくる。
三つ指突いてお辞儀してからテントのジッパーを上げようとするんじゃない。
「では、おきばりやす。おほほほほなのです」
ヘレナを引っ張り込んでそのまま皆で寝た。
そんな節操無しにしないよ?
ソフィアも赤くなってるし。
翌日、朝食を軽く済ませて狩猟採取へ。
樹液を集めて薬草を摘む、そろそろポーションもつくろうか?気付け薬ではなくて。
全員で軽トラに乗り移動して川へ。
スティアによるとここでは えらく不細工な魚が釣れるらしい。カジカ?出汁が旨い。カジカ酒が作れる。釣らなくては!
付いたらかなり水量が多い所で、石の隙間を狙った釣りが難しかったので長い竿での餌釣り。
一投目、すぐに当たりが来たが、ハリスから先をもっていかれる。
二投目、同じ。
「その糸と竿だとやっぱり細すぎよねー 最低でも もう二回り位太くないと」
スティアの言を疑問に思い 奇麗な水の中を箱眼鏡で覗いてみた。水底にカジカが大量に貼り付いている。
そこまでは予想通り。ただしでかすぎ。
メータークラスがゴロゴロ。海カジカ⁉鍋壊しだ!今夜はカジカ鍋だ‼
竿をリール竿に替えて大物用に仕掛けもでかく。
肉の切れ端を付けて底まで沈めると 速攻で食ってきた。
ヒット!底に貼り付こうとする力に逆らって引き剝がす。
上げると二尺の大物だった。
体の何ヶ所かに鋭い棘がはえている。鮎掛けとゆーか鮭でも掛けられそうだこれ。
「根魚みたいなカジカだな。確認だけど、食えるよね?」
『釣ってから聞かないで下さい。もちろん食べられます。魔獣の一種ではあるので、魔力を内包しており味も格別です。』
よし、今晩はこいつの味噌鍋を追加。
とゆけさん今晩は味噌鍋の素材が入ったので、これの味噌鍋でいいですか?
≪承りました。早めに行って一緒に準備いたしますので、宜しくお願い致します。
それから、アマテラス様から伝言です。
今回は食べたい物がたくさんあるので二泊三日くらいでお泊りしたいそうなのです。
大丈夫でしょうか?≫
OKですとお伝えください。
≪承知致しました。お伝えします≫
少し早めに戻らなくては。
◇
大漁、大漁!三人で爆釣し、しばらく鍋の具材には困らな50匹を確保して納竿。
帰りにジャッカロープを一匹ゲット。順調に在庫増加中。
「実り豊かなキャンプだねー。今日はアマテラス様も来るし、鍋を作ろう」
「賛成!肉鍋とカジカ鍋とカニ鍋とウサギ鍋なのです!」
「まって!一回で全部はダメよ!一回一品で大量の方が長く楽しめるわ‼」
「なるほどなのです。盲点だったのです」
暫くは毎日鍋と決定したようだ。
ご飯炊かなきゃ。
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