小女神さまと異世界でキャンプ のんびり旅と快適テント暮らしが目標です
源泉掛け流し
第1話
2022/12/28 一部修正
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ジューッ!
今回のキャンプのために買った2ポンドの上物国産牛肉、赤身多めをトングで掴み熱して油をひいたスキレットに乗せる。
パチパチと撥ねる焼けた牛脂の芳ばしい香りを堪能する。
今日は肉のみ。付け合わせも彩りもいらない。
塩だけを振り、肉を喰う。
あとはストレートのラム酒。
贅沢だ。
タイマーで時間を図り程よく茶色の焦げ目のついた塊をひっくり返したときに女の子の声が聞こえた。
「キャンプがしたいのです!」
程よく山の中のすいているキャンプ場、突然あらわれた6、7歳くらいの、長いブロンドの綺麗な髪と青い目が印象的な可愛いらしい女の子だった。
外人?近場にテントを張っている家族連れのところから来た迷子かな?
「君、迷子?お父さんかお母さんはどこかな?」
「ちがうのです。迷子ではないのです。
あま・・・・様のところへ遊びに来て、いんたーねっとという物を見ていたら、キャンプという物をしていて、そこで食べていた厚いお肉とかスープとかが、すごくおいしそーだったのです。
あとあと、せまいおうちの中で寝るのとか、空中にぶらさがって寝るのとかもしてみたいのです!」
「あま?・・・ 近くの尼寺に来た子?」
一気に言い切った女の子、状況はよくわからないけど、まぁ、せっかく僕のテントに突撃してきたんだし。 そのうちに親が探しにくるだろうで、話しながらも手を止めずに焼いていた肉を見る。
もう少しで焼き上がりだ。
「せっかくだし、食べてく?」
と聞けば、すごい勢いでヘッドバンギングしていた。
脳の血管切れるぞ。
「少し待ってね。」
側面とひっくり返した面とを焼いて火を入れる。
その間、女の子は集中してジッと見入っていた。
木皿に上げて半分に切り、さらに一口サイズにカットして皿代わりにコッヘルに盛る。
「油がたれるから服汚さないように気を付けてね。」
あまり野外向けとも思えないフワフワした真っ白い服を着ているので、気をつけるように一言、フォークと一緒に渡すと
「ありがとうございます!です!」
満面の笑みで受け取って、さっそく口に入れると急にしゃがみこんだ。
「んーーー!」
僕も慌てて
「大丈夫?まだ熱かった?」
「ちがうのです!美味しい!」
とうれしい事を言ってくれた。
「それは何より、まだいっぱいあるし、足りなければもっと焼くから遠慮しないでいいからね。」
単純だけど気分がよくなったので、思いっきり振舞いたくなってしまった。
「ありがとうございますです。お姉ちゃん優しいのです!」
自分も残りの半分の肉を食べつつ
「こちらこそありがとう。でも僕お兄ちゃん。」
「えぇ!? 降りてくる時に性別を見てませんでした。
失礼しましたなのです。
それでは、お兄ちゃんに変更です。」
「気にしなくていいよ。慣れてるから」
「でもでも、お化粧しているし髪もキレイで長いし体型も顔も着ている物もお姉ちゃんにしか見えないのです。」
「うん、それは趣味だから置いといて。」
さすがにスカートではないけど、体型的に小柄なので女性用の方が合うしデザインが色々選べるし、趣味的にもそっちの方が好きなんだからしょーがない。
「わかりました。地球にも色んな人がいるのです。」
「「ごちそうさまでした。」」
追加にもう一枚予備で買ってあった1ポンド肉を焼いて、半分こして食べるとさすがにお腹がいっぱいに。
この子かなり健啖家だわ。
子供にも出すのにお酒というわけにもいかないから、お気に入りの銘柄の紅茶を二人で飲みつつ、彼女のことを聞いた。
「さっき迷子じゃないって言ってたけど、君はどこから来たの?
あと今さらだけど名前聞いてもいいかな?」
ご飯にかまけて聞いていなかった事をあらためて聞くと
「私、ヘレナ。
さっきも言ったとおり、ア・・・・様のところからです!
さっき連絡したら連れてっても大丈夫ってお返事があったので、ご飯のお礼もしたいので、今から行くのです!」
止める間もなく一気に言うとと視界が強い白光で埋まった。
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