第6話 サラの調べ物
リン達がケモミミ少年と追いかけっこをしている間、サラはシーマの部屋を調べていた。
サラの後ろには眠るエミリオが魔法で浮かんでいる。
「さてと……兄さまが使った呪文はこれかしら?」
人を異世界から呼び寄せる魔法はとても難しく、近年では成功したという話を聞かない。しかも勇者に限定するなんて、かなり難しいはずだ。兄の力を疑っているわけではないが、抜けている兄の事だ。何かミスをしているのではないかと心配になった。
「だいたい赤ちゃんが勇者っておかしいでしょう……ん?これは?」
サラが見つけたのは、シーマが呼び出すときに使った呪文の一部だ。
「魔王に匹敵する力を持つ者を呼び出す……なるほど、勇者というワードの言い換えたのね。勇者って単語は難しいから……。――ん?」
サラの頭に嫌な予感が走った。
抜けている兄の事だ詠唱を間違えて『魔王の力を持つ者』なんて言ったりしていないだろうか。
「えーっと、まさかね、まさか……」
止まらない胸騒ぎを感じつつ、起きてしまったエミリオをあやすため、サラはシーマの部屋を後にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます