伊400戦記:日本本土決戦!

@vizantin1453

第0話    *なろうにも原本としてあります

 ……夢を見ていた。

 その夢は恐ろしくて希望がない暗黒の世界で救済も期待できなくただ死を待つ世界の夢であった。

 二千年以上続く世界的にも例がない皇室を頂点とする単一的国家である“日本”が今正に終焉の時を迎えているのである。

 アジア開放を求めると共に石油を始めとする資源の輸入を差し止められた日本は生き残る為、そしてアジアの為に白人帝国に宣戦を布告した。

 真珠湾から始まる大東亜戦争の幕開けであったが勝利は最初の間でその後はずるずると撤退(転進)を続けて絶対国防圏を破られて海上輸送ラインをも破壊されて国内は物資不足に悩まされる。

 この危機的状況に航空機もろとも敵艦に体当たりをして撃沈する“神風特攻隊”が組織されて数知れずの若者が空に散って靖国に旅立っていった。

 この神風の攻撃でも米軍を始めとする連合軍の破竹の勢いは止まらなく沖縄は陥落してB―29の本土空襲で日本の大都市は焦土と化したが軍部は一億総玉砕をスローガンとする本土決戦を唱える。

 これに反対意見を唱える東郷外務大臣を始めとする宮内庁・海軍省・一部の陸軍を巻き込んで数日前に日本に向けられたポツダム宣言を受諾して戦争終結を目指したがそれに断固反対する陸軍青年将校によるクーデターによって講和推進派の人物の九割以上(百十二名)にも及ぶ多種の人物が反逆罪の罪により処刑された。

 この行動により、組織的な政治体制が崩壊して軍部による軍政が始まったが所詮素人の集まりで、かろうじて持ちこたえていた経済状況も完全に破綻したがそれを修復する様子もなく各家庭及び田舎にある食料を始めとする鉄等の貴金属を強制的に出資させる国家絶対総動員法を制定して強圧的に食料等を徴収して本土決戦用に備えていく。

 皇室も陛下を始めとする皇族全てが捕らわれて奸賊の手から守護すると言う名目で松代大本営に身柄を移す事になった。

 無茶苦茶な国内体制の元、遂に十一月一日、南九州に連合軍が上陸して本土決戦の幕が上がるが最初の数日間は特攻隊を始めとするありとあらゆる手段をもって立ち向かったが日にちが経つほど、組織的な抵抗は崩壊してしまい上陸開始から一月後には南九州は完全に連合国の手に渡ったのである。

 この時点での被害は日本側は三百万以上(殆どが義勇隊と名乗る民間人)で連合軍は十四万であったが連合国司令部では予定以上の被害で真っ青になった。

 それから戦力を再び増大させた連合軍は遂に昭和二十一年三月一日、関東地方神奈川県相模湾にオリンピック作戦以上の戦力が殺到したのであった。

 最早、終わりが見えない本土決戦は泥沼化として五年以上も続き原子爆弾を始めとする殺戮兵器(科学兵器)がふんだんに使われて遂に松代大本営が崩壊して皇族全てが松代の地にて亡くなると共に日本の国としての歴史の終焉である。

 この時には北海道や東北にはソ連軍の大部隊が上陸して新たな政治体制が築きあげられていて米国を始めとする連合国も当初の予定通りに分割する事になった。

 この日本本土決戦での最終被害は日本国民半分に相当する五千万人が死亡すると共に大飢饉が発生して飢えで亡くなる国民も沢山出る。

 最早、そこにあるのは絶望と言う暗黒の世界で光は一切ない世界である……。

 夢はそこで終わる。

だが、この悲惨な運命を回避すべく高天原に住まわれる八百万神の最高神が別の平行世界で昭和二十年八月一五日で終戦を迎えた日本国から一人の元軍人を召還したのである。

 彼が最後に乗艦した世界初の潜水空母“伊400”と共に!!

 新たな歴史改定の旅がここに幕が開かれる。


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