ゴーストアップル
めへ
🍎
詠美は驚喜した。
ゴーストアップルを見付けたのだ。
ついにやった!と、思わず一人でガッツポーズをした。
これまでネットの写真でしか見た事の無い、ゴーストアップル、それをついに間近で見る事ができた。
まん丸な林檎が軸の上から枝にぶら下がっている、しかしその実はガラスの様に透明だ。
赤や緑色の実ではなく、透明な果実のなるそれは、とても不思議な光景だった。
さっそくスマホで写真におさめると、そのガラスの様な果実を手にとり、もぎ取ろうとした。
冷凍庫に保管しようと思ったのだ。
そうすればきっと、永遠にこの美しい果実を見ていられる。
全てが透明な果実の中で、唯一色を持つ部分に鋏を入れ、枝から切り離そうとし、指を止めた。
この果実は枝にぶら下がっているから、これほどまでに美しく魅了するのだ、枝から切り離してしまえば魅力は大幅に減ってしまう。
そう気付いた詠美は、かなり長い間ガラス色の果実を見つめていたが、次第に体が冷えきっている事に気付き、名残惜しそうに家へ帰っていった。
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